2004 Fiscal Year Annual Research Report
メガサテライトDNAの超可変性による協調進化と放散進化
Project/Area Number |
16570006
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
瀬筒 秀樹 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫生産工学研究グループ, 研究員 (70342805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権藤 洋一 独立行政法人理化学研究所, 個体遺伝情報研究チーム, チームリーダー (40225678)
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Keywords | メガサテライトDNA / 反復配列 / 脱ユビチキン化酵素 / RS447 / タンデムリピート / ゲノム構造 / タンデム構造 / 変動 |
Research Abstract |
RS447メガサテライトDNAは、ヒトで発見された単位長4.7kbの大きなタンデム反復配列である。コピー数が高頻度に変動するというトランスポゾン様の性質を持ちながら、脱ユビキチン化酵素をコードする重複遺伝子でもあるという、ユニークな特徴を持っている。この配列の特徴から、様々な生物種によってコピー数が大きく異なることが示唆される。本研究では、この新しい概念であるメガサテライトDNAについて、昆虫をはじめとする各生物におけるゲノム動性を明らかにし、コピー数調節機構および遺伝子機能を解明することを目的としている。 本年度においては、RS447配列の生物種間におけるゲノム構造(タンデム構造)の違いを明らかにした。また、カイコやイネ等のゲノム情報を元にしたデータ解析を行い、広範な生物種での遺伝子機能の推定を行った。 具体的な研究方法としては、各生物のゲノムDNAを材料としたサザン解析により、相同遺伝子の有無、タンデム反復構造の有無を調べた。また、各生物のゲノムデータベース情報を元に、相同遺伝子の有無や、ゲノム構造の解析を行った。 その結果、1)カイコやイネ等のゲノムデータベースを調べた結果、これらの生物種にもアミノ酸配列において高い相同性を示す配列が存在することがわかった。それらは脱ユビキチン化に関連する遺伝子と思われた。2)マウス以外にもメガサテライトDNAのタンデム反復構造が消失している生物種が見つかった。3)比較的近縁な生物種間においてさえ、タンデム構造が消失した種や、複数遺伝子座でタンデム構造をとると思われる種があり、進化的に短期間での驚異的な変動性が示された。
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