2005 Fiscal Year Annual Research Report
チェックポイント因子によるテロメア機能構造制御の分子機構
Project/Area Number |
16570007
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences, National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
松浦 彰 国立長寿医療センター, (研究所)・老年病研究部, 室長 (10272692)
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Keywords | 出芽酵母 / テロメア / テロメラーゼ / チェックポイント / ATMファミリー / クロマチン免疫沈降法 / DNA末端修復 |
Research Abstract |
テロメアは真核生物線状染色体の末端を構成するDNA・タンパク質複合体であり、その構造維持は染色体の正常な機能にとって必須である。本研究では、出芽酵母を材料にテロメアDNA複製とチェックポイント経路との相互連携機構の解明を目指している。昨年度、テロメア複製に関与する因子とテロメアとの結合のクロマチン免疫沈降法による網羅的解析により、テロメア複製がおきる時期にATMファミリータンパク質Mec1、修復関連因子複合体MRX(Mre11-Rad50-Xrs2)がテロメアに局在化すること、さらにMRXのテロメア局在化が引き金となってMec1、テロメラーゼ制御因子Est1、Cdc13が順次テロメアへとローディングされることを見いだした。この階層性はRothsteinらが示した二重鎖切断末端におけるタンパク質集積の階層性と類似している。このことは、複製期のテロメア末端ではDNA損傷末端でおきる反応と類似な反応がおきていることを示唆する。 しかしながら、複製時期のテロメア末端はDNA損傷末端と完全には同等でなく、細胞周期チェックポイントを活性化することはない。このことは、テロメアに存在する因子のいずれかにはチェックポイントの作動を抑制する機能があると考えられる。出芽酵母のテロメア因子からチェックポイントの作動を抑制する活性をもつ分子の検索を行った結果、Stn1がその活性を持つ候補として単離された。Stn1はMec1の下流で働くキナーゼRad53と相互作用しその活性化を抑制すること、またStn1が細胞周期においてリン酸化による制御を受けていることが明らかになった。現在、Stn1によるチェックポイント抑制の分子機構の解析を進めている。
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Research Products
(4 results)