2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16570024
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
永田 尚志 独立行政法人国立環境研究所, 生物多様性研究プロジェクト, 主任研究員 (00202226)
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Keywords | 配偶者選択 / 免疫能 / 血液寄生虫 / 寄生虫感染率 / 曝露型ハンディキャップ / オオヨシキリ / 一夫多妻 / 繁殖成功度 |
Research Abstract |
一夫多妻制の配偶システムを持つ種では、高い性選択圧にさらされているため、雄の誘性的な形質と免疫能を同時に発達させる必要がある。免疫能とアンドロゲン濃度には拮抗作用がみられるため、質的に劣る雄は免疫能を保ったまま、誘引形質を維持するのが困難となるため、免疫能は曝露型ハンディキャップとなると考えられている。 霞ヶ浦において色足輪で標識されたオオヨシキリの調査個体群を確立し、免疫能と鳥マラリア等の血液寄生虫感染率が配偶者獲得数や繁殖成功度に与える影響を調査した。オオヨシキリ成鳥の血液寄生虫の感染率は幼鳥より有意に高く、雌雄とも40%以上の個体がPlasmodiumあるいはHaemoproteusに感染していた。しかし、雄の配偶者獲得数と血液寄生虫感染率の間には関連は認められなかった。しかし、血液寄生虫に感染した雌の巣は捕食されやすく繁殖成功率が低下する傾向が認められた。次に、PHAの凝集反応から免疫能を測定したところ、雌の免疫能が雄よりも高い傾向がみられた。また、雄の配偶ステータスによる免疫能の違いを比較したところ、一夫多妻の雄の方が一夫一妻の雄よりも免疫能が高い傾向がみられた。サンプルサイズが小さいので、これらの傾向は有意ではないが、雌に選ばれやすい雄個体の免疫能が高く、曝露型ハンディキャップになっている可能性が示唆された。今後、サンプル数を増加させるとともに、免疫能の高さと雄の行動、血液寄生虫の感染した個体の行動について明らかにする必要がある。
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Research Products
(1 results)