2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16570024
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
永田 尚志 独立行政法人国立環境研究所, 生物多様性研究プロジェクト, 主任研究員 (00202226)
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Keywords | 鳥マラリア / 配偶者選択 / 免疫能 / 暴露型ハンディキャップ / 寄生虫感染率 / オオヨシキリ / トリパノゾーマ / 繁殖成功度 |
Research Abstract |
一夫多妻制の配偶システムを持つ種では、高い性選択圧にさらされているため、雄の誘性的な形質と免疫能を同時に発達させる必要がある。免疫能とアンドロゲン濃度には拮抗作用がみられるため、質的に劣る雄は免疫能を保ったまま、誘引形質を維持するのが困難となるため、免疫能は暴露型ハンディキャップとなると考えられている。 霞ヶ浦湖岸に2004年に確立したオオヨシキリの標識個体群において、免疫能の高い個体が高い配偶成功を得ているかどうかを研究した。フィトヘマグルチニン(PHA)を用いて擬似免疫反応を誘発させ、個体ごとに免疫能を測定した。各個体の体重、体のコンディションと免疫能の間には相関は認められなかった。2004年は、生息密度が低く一夫多妻雄は出現しなかったが、休耕田のヨシ原が消失した2005年度には3分の1の雄が複数の雌を獲得でき、一夫多妻が生じた。一夫多妻の配偶ステータスを得た雄の免疫能が一夫一妻の雄より高い傾向は認められた調査個体群では、32%の雄が広義の鳥マラリア(含むヘモプロテウス)に感染していたのにたいして、トリパノゾーマの感染率は9%弱と低かった。これらの血液寄生虫に感染していた個体と感染していない個体を比較したところ、免疫能に差は見いだせなかった。2005年に高い配偶成功のステータスを得ていたのは、2歳以上の個体であった。以上より、雄が高い配偶成功を得られるかどうかは、周辺環境の要因、年齢、免疫能が複雑に絡み合っていると考えられた。
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Research Products
(2 results)