2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現調節及び光合成装置の構築に果たす分子シャペロンの役割
Project/Area Number |
16570028
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
仲本 準 埼玉大学, 理学部, 助教授 (30192678)
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Keywords | 熱ショックタンパク質 / 分子シャペロン / チラコイド膜 / 低分子量熱ショックタンパク質 / HtpG / groESLオペロン / 免疫電子顕微鏡 / フィコビリソーム |
Research Abstract |
シアノバクテリアの熱ショックタンパク質(HSP)遺伝子の転写調節と、HSPの分子シャペロン機能を解明することを主目的として、以下の研究を行なった。 (1)低分子量HSP(HspA)の新規な機能解明(論文発表済み) hspA遺伝子破壊株の表現型を解析し、シアノバクテリアの塩ストレス順化にHspAが重要な役割を果たすことを示した。HspAの大量発現株の透過電子顕微鏡・蛍光顕微鏡観察から、高温あるいは強光下で、HspAはチラコイド膜や核様体の構造を安定化することを明らかにした。免疫電子顕微鏡法により熱ショック後にHspAの細胞内局在が変化することを示した。 (2)Synechococcus sp.PCC 7942のgroESL1オペロンの、Orf7.5とHrcAによる「正」と「負」の転写調節 PCC 7942株から精製されたRNAポリメラーゼコア酵素と精製RpoD1を用いてgroESL1のラン・オフin vitro転写実験系を確立し、Orf7.5により転写活性が増加することを明らかにした。 HrcAによる転写抑制とOrf7.5による転写活性化がgroESL1遺伝子発現の主たる調節機構であることを明らかにするために、PCC 7942株のhrcAあるいはorf7.5遺伝子破壊株、さらに両遺伝子の二重破壊株を構築した。現在、これら変異株におけるgroESL1転写産物を解析している。 (3)フィコビリソームの構築・安定化に果たすHSPの役割 フィコシアニンαあるいはβ、及びαβヘテロ二量体をPCC 7942株から精製し、これらとHspAの相互作用をショ糖密度勾配超遠心法、化学架橋、変性凝集阻止実験等で明らかにした。 PCC 7942株のHtpGはリンカータンパクの変性凝集を阻止したが、大腸菌由来のHtpGは阻止しなかった。シアノバクテリアのC末側ドメインがリンカータンパクとの特異的相互作用に必須であることが示された。
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Research Products
(3 results)