2006 Fiscal Year Annual Research Report
アクチン依存性細胞内運動光制御の再構成系による解析
Project/Area Number |
16570033
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高木 慎吾 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教授 (10192626)
|
Keywords | アクチン細胞骨格 / カルシウムイオン / 再構成系 / 細胞膜 / 細胞膜ゴースト / ビリン / ホウレンソウ(葉肉細胞) / 葉緑体 |
Research Abstract |
植物細胞内での葉緑体の移動や位置決定にアクチン細胞骨格が関与することが示唆されてきたが、関与様式については未解明である。本研究では、光によって葉緑体の運動が誘導されるホウレンソウ緑葉を材料に、葉緑体と表層細胞質およびアクチン繊維との相互作用について、再構成系を構築して解析した。 ホウレンソウ葉肉細胞プロトプラストより、細胞膜の細胞質側を露出させた細胞膜ゴーストを調製した。バッファで洗浄後も葉緑体はゴースト上にアンカーされており、葉緑体を取り囲むようにアクチン繊維が局在していた。葉緑体のアンカーはアクチン脱重合剤ならびに1マイクロモル以上のCa^<2+>に感受性を示した。この時、ゴースト上のアクチン繊維は切断もしくは脱重合を起こしていた。そこで、Ca^<2+>感受性のアクチン結合蛋白質に注目し、テッポウユリ花粉管で同定された2種類の植物ビリンの抗体を用いて蛍光染色を行なったところ、ゴースト上の葉緑体の近傍に、それぞれ独特の様式で局在していることがわかった。免疫ブロッティングにより、2種類のビリン抗体はそれぞれ異なるポリペプチドを認識した。DNaselアフィニティクロマトグラフィにより、これらのポリペプチドがCa^<2+>依存的にG-アクチンに結合することが明らかとなり、これらのポリペプチドはホウレンソウのビリンであると考えられる。 ホウレンソウ緑葉より単離した無傷葉緑体と骨格筋G-アクチンとを混合し、葉緑体からのアクチン重合について解析した。インキュベーション時間に依存して葉緑体近傍にアクチン繊維が出現した。塩処理後の単離葉緑体を用いると、そのようなアクチン繊維はみられなかった。
|
Research Products
(2 results)