2006 Fiscal Year Annual Research Report
カロテノイド成分・遺伝子から見た光合成細菌からシアノバクテリアへの進化
Project/Area Number |
16570038
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
高市 眞一 日本医科大学, 医学部, 助教授 (40150734)
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Keywords | カロテノイド / 光合成細菌 / シアノバクテリア / ミクソール配糖体 / カロテノイド生合成 / カロテノイド生合成遺伝子 / アナベナ / ノストック |
Research Abstract |
1.シアノバクテリア、アナベナとノストック属のカロテノイド同定と生合成経路の推定 10種についてすべてのカロテノイドを同定した。ミクソール配糖体の糖については、精製・NMR測定が必要なため、同定には至っていない。10種の間でカロテノイド組成に多少の違いが見られるが、これは3-水酸化酵素CrtR、2-水酸化酵素CrtRG-like、ケト化酵素CrtW/CrtOの有無、あるいは性質の差異によると思われる。 2.糸状性シアノバクテリアのカロテノイド同定と生合成経路の推定 9種の糸状性シアノバクテリアについてすべてのカロテノイドを同定した。9種の間でカロテノイド組成に多少の違いが見られるが、この場合も3-水酸化酵素CrtR、2-水酸化酵素CrtRG-like、ケト化酵素CrtW/CrtOの有無、あるいは性質の差異によると思われる。 3.シアノバクテリア、アナベナ・バリアビリスATCC29413のカロテノイド同定と生合成経路および遺伝子の推定 上記のアナベナ・バリアビリスM-3と同種・異株にも係わらず、ミクソールは配糖体でなくフリーであった。シアノバクテリアからは初めての発見である。糖結合酵素の欠損と考えられるが、未だ明確でないシアノバクテリアにおけるカロテノイド配糖体の機能解明に、有用な株である。 4.紅色光合成細菌とシアノバクテリアのカロテノイドに関する総説の執筆 紅色光合成細菌のカロテノイド組成と生合成に関して、国際光合成学会編集の"The Purple Photosynthetic Bacteria"に執筆し、シアノバクテリアのカロテノイド組成と生合成に関しても、Cellular and Molecular Life Sciencesに総説を執筆し、まもなく印刷される予定である。
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Research Products
(6 results)