2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16570044
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
姜 昌杰 独立行政法人農業生物資源研究所, 生理機能研究グループ・形態発生研究チーム, 主任研究官 (80370659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高辻 博志 独立行政法人農業生物資源研究所, 生理機能研究グループ・形態発生研究チーム, チーム長 (10360455)
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Keywords | 枝分かれ / 転写因子 / ジンクフィンガー / LIF(Latereal Inducing Factor) / Superman / SPL(Superman-like) |
Research Abstract |
本年度は、AtSPL7及びLIFを中心に、SPLジンクフィンガー型遺伝子の機能解析を行った。 (1)独立の2系統のLIF-OXphのT1世代を用いてサイトカイニン含量を測定し、野生型と比較した。その結果、分子種によって異なる増減パターンを示したが、LIF-OXph系統では塩基型t-Zeatinの顕著な低下が認められ、これが枝分かれ促進の原因と考えられた。 (2)AtSPLの機能解析:シロイヌナズナのゲノムは8個のAtSPL(1-8)をコードしており、アミノ酸配列から、2グループ(SUP-type:AtSPL2-5およびLIF-type:AtSPL1,6-8)に分類された。 [細胞内局在]AtSPL2-4,-7のGUS融合タンパク質は主に核内に局在していた。一方、AtSPL5-6,-8は、主に核内に分布するが、細胞質にも存在していた。 [発現パターン]概して、SUP-typeは主に花の器官で、LIF-typeは花以外の組織で、それぞれ発現していた。花の器官においては、AtSPL2-5は共通して子房に発現しているが、その部位や時期には差異があった。根においては、AtSPL6は分化帯および静止中心周辺で、AtSPL7はcollet根毛および分化帯と伸長帯の境界部位で、AtSPL8は維管束で、それぞれ発現していた。AtSPL7は、地上部では、葉腋および花柄の付け根で主に発現していた。 [過剰発現による機能解析]AtSPL過剰発現系統において、SUP-typeでは植物体の矮化と雌ずい以外の花器官の生長抑制、LIF-type(AtSPL6,-7)では植物生長全体の著しい抑制、が観察された。 AtSPL6,-7のT-DNA挿入変異体およびdominant negative AtSPL7(AtSPL7-VP16)の発現植物体には形態や生長特性における顕著な変化は認められなかった。おそらく遺伝子機能の重複によると推測される。 以上の結果から、AtSPL群は、SUP-typeとLIF-typeの機能的に分化した2つのサブグループに分類され、発現パターンの違いによって、植物体の様々な部位における形態形成において多様な役割を果たす転写調節因子群であると考えられる。 (3)標的遺伝子の探索のため、薬剤で発現誘導出来るXVE::LIFおよびXVE::AtSPL7の形質転換体を作製し、T1種子を得た。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Overexpression of a petunia zinc-finger gene alters cytokinin metabolism and plant forms2005
Author(s)
Hitoshi Nakagawa, Chang-Jie Jiang, Hitoshi Sakakibara, Mikiko Kojima, Ichiro Honda, Hidetoshi Ajisaka, Takaaki Nishijima, Masaji Koshioka, Tamaki Homma, Lewis N.Mande, Hiroshi Takatsuji
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Journal Title
The Plant Journal 41
Pages: 512-523
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