2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16570044
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
姜 昌杰 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物科学研究領域耐病性研究ユニット, 主任研究員 (80370659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高辻 博志 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物科学研究領域耐病性研究ユニット, ユニット長 (10360455)
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Keywords | 枝分かれ / 転写因子 / ジンクフィンガー / LIF(Latereal Inducing Factor) / Superman / SPL(Superman-like) |
Research Abstract |
本年度は、ストレス応答遺伝子AtSPL5の乾燥耐性や耐病性における機能解析およびAtSPL5の下流遺伝子の探索を行った。 1、RNAiによるAtSPL5発現抑制系統(RNAi-AtSPL5)において、ABA応答性遺伝子re29A/Bの発現レベルが上昇していることを見いだした。AtSPL5タンパク質は、C末端近傍にEAR様転写抑制ドメインを含むことから転写抑制因子であると推測される。これらのことから、AtSPL5は、非ストレス時におけるストレス関連遺伝子の転写抑制に関与していると考えられる。 2、RNAi-AtSPL5植物を用いて、乾燥耐性および病原細菌Pseudomonas syringae DC3000に対する抵抗性の検定を行った。しかしながら、野生株と比較して有意な違いは認められなかった。RNAi-AtSPL5植物では形態上の変化も観察されなかった。発現抑制の表現型が表れない理由として、RNAiによる発現抑制が不十分であることまたは機能的に重複した遺伝子の存在の可能性が考えられる。したがって、これらの結果のみから本転写因子のこれらの過程への関与を否定することはできない。 3、XVEシステムによるAtSPL5発現誘導系統(XVE::AtSPL5)を用いたマイクロアレイ解析の結果、ファイトアレキシンであるcamalexinの合成酵素をコードするPAD3を含むcytochrome P450の遺伝子等がAtSPL5の発現誘導に依存して発現抑制されることが分かった。
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