2005 Fiscal Year Annual Research Report
精巣をモデルとした細胞分化過程における細胞接着分子の機能解析
Project/Area Number |
16570047
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
春見 達郎 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00261404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 要喜知 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70173044)
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Keywords | BT-IgSF / electroporation |
Research Abstract |
私共は脳と精巣に特異的に発現する細胞接着分子を見出し、その構造からイムノグロブリンスーパーファミリーに属する分子であることからBT-IgSF(Brain- and Testis-Immunogloblin Superfamily)と名づけた。BT-IgSFは精巣では遺伝子が半数体の時期である円形精子細胞に発現することをin situ hybridization法で見出していたが、成熟精子に存在するかどうかは、力価の高い抗体が無く、検証することが出来なかった。本年の研究において、BT-IgSFの細胞内、および細胞外領域に対する抗体を得ることが出来た。ウエスタンブロッティングによる確認で本分子は分子量65kDaであることが明らかになった。COS7細胞に発現させたリコンビナントなBT-IgSFが52kDaであることから、nativeな状態のBT-IgSFはより多くの糖鎖が存在すると考えられる。 成熟精子におけるBT-IgSFの役割を明らかにするため、BT-IgSF細胞外領域に対する抗体を用い、ラット受精への影響を調べた。精子培養液に抗BT-IgSF抗体を含む抗血清を添加した後に欄と人工授精させると、受精率は大きく低下した。また、受精した胚でもその発生は遅く、また異常分割も多く見られた。これらの結果は成熟精子のBT-IgSFが卵との相互作用である受精において、重要な働きをしていることを示唆している。 さらに、BT-IgSF遺伝子の発現を制御するためのin vivo electroporation技術の習得も継続的に行なっており、マウス胎児脳の脳室内注入技術はほぼ完成した。今後、精巣への応用が可能かどうか試みる予定である。
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Research Products
(3 results)