2004 Fiscal Year Annual Research Report
有殻渦鞭毛藻類の分類形質となっている鎧板のパターンを決定する細胞構造と制御機構
Project/Area Number |
16570056
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
奥田 一雄 高知大学, 黒潮圏海洋科学研究科, 教授 (40152417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関田 諭子 高知大学, 黒潮圏海洋科学研究科, 助手 (70314979)
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Keywords | 渦鞭毛藻類 / 細胞外被 / 鎧板パターン / 分類形質 / 微小管 |
Research Abstract |
1.鎧板の形と配置における個体変異 通常細胞の境内培養中に鎧板の自然変異が低頻度で起こる,鎧板の配置により,変異しやすい領域(epithecaのapicals, precingularおよびanterior intercalaries)とほとんど変異しない領域があった. 2.微小管骨格の観察法 抗チューブリン抗体を用いた間接蛍光抗体法により,当該渦鞭毛藻細胞は4つの異なる微小管系からなる微小管骨格を持つことがわかった. 3.微小管破壊処理 高圧処理(1000気圧15分間)により,6割の細胞が生存し,そのうち8割の細胞の微小管が破壊されることがわかった。 4.高圧処理による鎧板変異の誘導 高圧処理した細胞は,自然変異をはるかに上回る高頻度で鎧板の変異が起こった.鎧板の変異は細胞のすべての領域で起こり,そのパターンは鎧板の挿入,欠失,融合のみならず,形状の歪曲,領域を越えての配置など,様々な形質変化を引き起こすことが明らかとなった. 5.微小管破壊と鎧板変異との関係 細胞が生存し,かつ,微小管が破壊される圧力の範囲(1000〜1300気圧)で,微小管破壊と鎧板変異との間に相関関係があることを明らかにした. 6.微小管骨格の再構築 高圧処理後に再構築される微小管は,正常細胞と同様の配列分布を示す細胞と,配列方向および分布が歪曲した細胞がある.この歪曲した微小管骨格と,数世代にわたる鎧板変異の持続との関連性を調べているところである.
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Research Products
(1 results)