2004 Fiscal Year Annual Research Report
卵成熟におけるステロイドホルモン細胞膜受容体の構造と機能の解析
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16570059
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
吉国 通庸 基礎生物学研究所, 生殖生物研究部門, 助教授 (50210662)
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Keywords | 卵成熟 / ステロイドホルモン / 細胞膜受容体 / GPCR / プロテオミクス / プロテオーム解析 / Proteomics |
Research Abstract |
これまでにメダカ卵成熟誘起ホルモン細胞膜受容体の候補遺伝子として、mGPCRαとmGPCRγの2種類をクローニングした。今回、メダカゲノムデータベースより、in silicoクローニングによりmGPCRβを得た。これらは、全て7回膜貫通型構造を持ちG蛋白質結合型受容体ファミリーに属すると考えられる。過去に、αおよびγ型のアミノ酸部分配列を元に、ウサギを用いて抗α、抗γ型抗体の作出を試みたが有効な抗体を得られなかった。今回、抗原とするアミノ酸配列を一部改変し、ラットを用いて延べ5回抗体作出を試みたが、やはり有用な抗体は得られなかった。現在、リコンビナント蛋白質を用いた抗体作成を行うべく発現系の調製を進めている。情報伝達機構解明の目的で、メダカ卵のプロテオーム解析を行った。等電点4.0-5.0、4.5-5.5、5.0-6.0、5.5-6.7の範囲から各々20枚の泳動画像を合成し、全体として等電点4.0-6.7、分子量14-200KDaの範囲の蛋白質マップを作成した。卵の発生過程で卵成熟誘起ホルモン受容体が発現するステージ及び、卵成熟誘起ホルモン結合により卵内での情報伝達過程が活性化されるステージより、顕著な変化を示すタンパク質群の内、26個の蛋白質スポットを選定した。元の20枚の泳動ゲルより当該スポットを回収し、in gel digestion法により加水分解ペプチドを得、TOF型及びQ-TOF型質量分析計を用いてタンパク質の同定を試みた。内16スポットは同定が完了し、6スポットは現在解析中である。4スポットは同定不能であった。卵黄に由来すると思われるスポットを出来るだけ排除してスポット選定を行ったが、解析結果は、選定したスポットに相当数のメダカビテロゲニン由来のものを含むことが判明した。これまで考えられていた以上にビテロゲニン分子の活発で複雑な代謝が行われていると考えられる。
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