2005 Fiscal Year Annual Research Report
卵成熟におけるステロイドホルモン細胞膜受容体の構造と機能の解析
Project/Area Number |
16570059
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
吉国 通庸 基礎生物学研究所, 生殖生物学研究部門, 助教授 (50210662)
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Keywords | 卵成熟 / ステロイドホルモン / 細胞膜受容体 / GPCR / プロゲスチン / プロゲステロン |
Research Abstract |
魚類(メダカ)の卵母細胞の卵成熟誘起ステロイドホルモンによる、卵成熟誘起現象をモデルとして、プロゲステロン系ステロイドホルモン(以下、プロゲスチン)の作用機構を、細胞膜受容体を中心に解析することを目的とした。既にメダカのプロゲスチン細胞膜受容体(G蛋白質結合型)を3種クローニング(olGPCRα、olGPCRβ、olGPCRγ)しているので、これらと比較解析実験を計画するために、その他のプロゲスチン受容体・結合蛋白質遺伝子のクローニングを行った。哺乳類で細胞膜1回貫通型構造を持つと推定されるプロゲスチン結合蛋白質が知られており、そのメダカホモログ2種(medaka Hpr66, medaka Dg6)を新たにクローニングした。血液中の性ステロイドホルモン結合蛋白質(性ホルモン結合グロブリン;SHBG)をメダカゲノムデータベース中より、in silicoクローニングした(medaka SHBG ; TIGR database TC41349)。また核受容体型と思われる配列を、代表者の所属する研究室で独自に構築しているゲノムデータベース中からin silicoクローニングした(medaka PR ; NIBB rbest scaffold5161)。MedakaSHBGは、その配列相同性から明らかに哺乳類のSHBGホモログであると判断した。medakaPRは、塩基配列の曖昧さから、プロゲスチン核受容体であると確定できてはいない。同定の為には今後の発現蛋白質等による機能解析が必要である。Hpr66のN端配列の合成ペプチドを用いて抗体の作成を作成したが、Western解析等で良好な結果は得られていない。本課題に拠り、メダカにおいて、少なくとも4群8種の異なったプロゲスチン受容体・結合蛋白質が存在することが明らかとなった。次期課題では、メダカの発生過程を追いながら、時期及び組織特異的なmRNAと蛋白質の発現を解析することで、メダカにおけるプロゲスチンの機能を幅広く解析する予定である。
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