2004 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の高次脳中枢キノコ体の単離ケニヨン細胞に発現するイオンチヤネル・受容体の解析
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16570060
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
吉野 正巳 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20175681)
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Keywords | 昆虫 / フタホシコオロギ / P / QタイプCaチャネル / Ca活性化Kチャネル / LタイプCaチャネル / パッチクランプ / ケニヨン細胞 / ベラパミル |
Research Abstract |
フタホシコオロギの脳を露出しキノコ体部域を切除、これに酵素処置を施すと直径5〜10μの単一ケニヨン細胞が単離される。この単一細胞にホールセルパッチクランプ法および細胞接着型パッチクランプ法を適用し巨視的電流と単一チャネル電流を記録した。本研究で以下に示すイオンチャネルの存在が電気生理学的・薬理学的に明らかにされた。 電位依存性L型Caチャネル及びP/Q型Caチャネル 巨視的電流の記録・解析により活性化閾値-30mV、ピーク電流電圧値10mVの高閾値活性化電位依存性Caチャネルの存在を明らかにした。トータル電流の部分成分はdihydropyridine (DHP)感受性を示した。また別成分はω-アガトキシン感受性を示した。電位依存性R型タイプのCaチャネルブロッカーSNX-482は無効であった。両成分はフェニルアルキルアミンのベラパミルにより強力に抑制された。単一チャネル電流の記録・解析によりコンダクタンス30pSの電位依存性Caチャネルを同定した。薬理学的解析により本チャネルはDHP感受性を持ち、単一チャネル電流の平均加算電流は巨視的電流の早い活性化と遅い不活性化のキネテイクスを再現した。一方多くの細胞でコンダクタンス約18pSでDHP非感受性の単一チャネル電流が記録されP/Qタイプの可能性が示唆された。 巨大コンダクタンスCa活性化Kチャネル 巨視的電流の記録・解析により活性化閾値-30mVで早い活性化と遅い不活性化を示す外向き電流が記録された。この電流はTEAにより強力に抑制された。単一チャネルの記録・解析によりコンダクタンス130pSのCa活性化Kチャネルの存在を明らかにした。無機のCaチャネルブロッカーのCdは外向き電流を抑制した。二価カチオンのBaは数mMで外向き電流を抑制した。薬理学的解析により本チャネルは巨大コンダクタンスCa活性化Kチャネルであることが明らかにされた。
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Research Products
(3 results)