2005 Fiscal Year Annual Research Report
島を渡り,コケ植物の配偶体はどのように進化し,分化したのか?
Project/Area Number |
16570077
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山口 富美夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60244290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪田 博美 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10332800)
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Keywords | 蘚苔類 / 系統 / 種分化 / 島嶼 |
Research Abstract |
島嶼域の蘚苔類の系統を解析し,それらの祖先種を探索するため,シラガゴケ科種群を中心に,日本本土,南西諸島のほか,マレーシア,インドネシアおよびオーストラリアで試料の採取を行った. 今年度および昨年度までに得られた試料を光学顕微鏡下で比較形態学的研究を行い,外部形態による種の同定を行った.観察した試料の一部を広島大学植物標本庫(HIRO)のデータベースに登録するとともに植物標本として保管した. 試料からDNAを抽出し,ITS領域,rbcL遺伝子部分の塩基配列を決定した.これまでに得られた塩基配列をもとに系統樹を作成し,島嶼におけるシラガゴケ科蘚類を中心とする蘚苔類の種分化傾向を推察した.また,小笠原諸島のシラガゴケ科試料については,ITS領域のハプロタイプを検出するとともに,RAPD法を用いて遺伝的多様性を評価した. これまでの結果から,オオシラガゴケ種群に属するムニンシラガゴケ(Leucobryum boninense)は小笠原諸島に固有の種であり,小笠原諸島内でも集団間に遺伝的変異が生じていることが明らかになった. その他,野外調査で得られた試料の中から,沖縄島で蘚類の1新種,屋久島で苔類の1新種,小笠原諸島で苔類の日本新産1種など,分類・系統学的に興味深い蘚苔類の種を複数見出し,細胞学的観察,系統学的実験を行った. これら新知見の一部を学術雑誌で公開し,また平成17年度日本植物分類学会で発表した.
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Research Products
(1 results)