2004 Fiscal Year Annual Research Report
糖ヌクレオチド輸送体の細胞内局在性および基質特異性決定機構と糖鎖構造制御
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16570099
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
川喜田 正夫 工学院大学, 工学部, 教授 (00012740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 政吉 工学院大学, 工学部, 助手 (80281351)
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Keywords | 糖ヌクレオチド輸送体 / 複合糖質 / ゴルジ装置 / 形態形成異常 |
Research Abstract |
本研究は、糖ヌクレオチド輸送体遺伝子ファミリーを構成する輸送体の構造およびその特性を解明するとともに、複数の輸送体間のキメラ分子の構築および部位特異的変異体の解析などの手段を用いて、糖ヌクレオチド輸送体の基質特異性決定機構、細胞内局在性決定機構を解明することを目的としている。この研究を通じて、複数回膜貫通型輸送体タンパク質の機能原理、ソーティング原理を明らかにし、細胞内膜系の構築原理に関する理解を進めるとともに、得られた知見を在来の糖ヌクレオチド輸送体がもつ特性を拡張するために活用して細胞の糖鎖改変につなげ、糖鎖工学に新たな展望を開くことが期待される。 従来の研究で、我々は、UDP-Gal輸送体のhelix7部分をCMP-シアル酸輸送体由来の配列で置換することにより、CMP-シアル酸/UDP-Gal二重特異的輸送体が構築できることをあきらかにし、この領域の全長25アミノ酸残基中にCMP-シアル酸の識別において決定的に重要な残基が存在することを示した。本年度は、そのような残基の特定に向けて、この領域の一部をさらにUDP-Gal輸送体で置換した新たなキメラを作成した。これらのキメラ体の発現と輸送活性について、現在検討を進めている。 輸送体の細胞内局在性機構解明の基礎検討として、UGTrel8輸送体の特性解析を進めた。UGTrel8輸送体は比較的広範囲の組織に発現し、特に肝臓に多量に発現していた。CHO細胞中で発現したUGTrel8輸送体はゴルジ装置に局在することが明確に示された。また、出芽酵母の異種発現系を用いて、UGTrel8輸送体がUDP-GlcNAc輸送活性をもつことが明らかになった。これらの知見に基づき、UGTrel7輸送体のC-末端領域をUGTre18輸送体のC-末端に移植したキメラを作製し、キメラ体がその局在部位を変えることを示唆する結果を得て、更に検討を進めている。
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Research Products
(3 results)