2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜マイクロドメイン情報伝達機構の定量プロテオミクス及びリピドミクスによる解明
Project/Area Number |
16570100
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
柳田 光昭 順天堂大学, 医学部, 講師 (80365569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀 直子 順天堂大学, 医学部, 助手 (80338342)
岩渕 和久 順天堂大学, 医療看護学部, 助教授 (10184897)
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Keywords | 定量プロテオミクス / リピドミクス / マイクロドメイン / 質料分析 / 安定同位体標識 |
Research Abstract |
前骨髄性白血病細胞株HL60細胞、およびDMSOで好中球系細胞に分化誘導したHL60細胞からラクトシルセラミドに富んだ細胞膜マイクロドメインをショ糖密度勾配遠心で調製した。マイクロドメインからタンパク質を抽出し、尿素変成条件下でリジルエンドペプチダーゼにより消化してペプチドへと断片化した。ペプチド混合物をナノ流速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(ナノLC-MS/MS分析)し、データベースサーチにより網羅的にペプチド配列を決定した。その結果、約50種類のタンパク質を同定することができ、その中にはマイクロドメインに存在することが知られているflotillin1,flotillin2などの他、細胞表面CD抗原、Gタンパク質などが存在した。 質量分析によるタンパク質定量用標準ペプチドとして既知のマイクロドメインタンパク質であるflotillin1,flotillin2についてそれぞれ安定同位体^<13>C,^<15>N-リジンで標識した合成ペプチドを作成した。合成されたペプチドは天然の分子に比べて^<13>C,^<15>Nの個数の分だけ質量数が大きい分子量を持つことを確認した。 また、マイクロドメインから脂質成分を抽出し、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析して構成脂質成分を網羅的に解析するための実験系の検討を行った。すでに実験系が確立しているラクトシルセラミドに加えて、今年度は卵黄由来フォスファチジルコリン(PC)を標品としてPCの脂肪酸鎖長を決定する分析系の検討を行った。その結果、プリカーサーイオンの質量数とLCでの保持時間、MS^2スペクトル、さらに場合によりMS^3スペクトルから、脂肪酸鎖長の総和と不飽和度を決めることが可能であった。
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