2005 Fiscal Year Annual Research Report
MMP-23の発現調節機序の解析を基にした顆粒膜細胞死の誘導機構の解明
Project/Area Number |
16570106
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大西 淳之 東京医科歯科大学, 助教授 (40261276)
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Keywords | 卵巣 / 酵素 / シグナル伝達 / 発現調節 / 発生・分化 |
Research Abstract |
マトリックスメタロプロテアーゼ-23(MMP-23)は主に雌性生殖器官で発現しているが、その生理的な機能は明らかとなっていない。そこで生殖器官内におけるMMP-23の基質候補分子を検索するために、MMP-23の活性中心に変異を加えた不活性型MMP-23をベイトとしてヒト卵巣cDNAライブラリーを酵母two hybridスクリーニングした。その結果、フィブロネクチンやフィブリリンを含む細胞外マトリックス分子(ECM)のほかに、潜在型TGF-β結合分子(LTBP)が単離された。MMP-23の構造は大きく分けて、メタロプロテアーゼドメインと、システィンリッチドメイン/イムノグロブリン様ドメインのふたつからなり、他のMMPファミリー分子とは大きく異なる特徴的なものとなっている。今回のスクリーニングにより単離された分子群間で保存されている共通構造領域を介してMMP-23のメタロプロテアーゼドメインと会合することが確認された。現在MMP-23がそれぞれの分子群のどの部位に対して切断活性を示すのか解析中である。 TGF-βは卵巣において閉鎖卵胞の形成を調節する重要な因子のひとつとして知られている。潜在型TGF-β結合分子(LTBP)はフィブリリンやフィブロネクチンなどのECMと結合することにより、成熟型TGF-βを潜在型として留めている。TGF-βが活性型として遊離されるためには、LTBP自身およびLTBPが結合しているECMが切断される必要があり、今回MMP-23の基質候補分子としてLTBPやECMが単離されたことにより、卵巣においてMMP-23がTGF-βの活性化機序を担う分子である可能性が予想された。
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Research Products
(2 results)