2004 Fiscal Year Annual Research Report
筋小胞体カルシウムポンプのエネルギー共役の中心となる中間体の解析
Project/Area Number |
16570107
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
山崎 和生 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60241428)
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Keywords | 筋小胞体 / カルシウムポンプ / SERCA1a / リン酸化中間体 / 疎水的相互作用 / Ca^<2+>輸送 / エネルギー共役 / 酵素反応速度論 |
Research Abstract |
組み換えタンパク発現系の最適化 組み替えタンパク発現系の最適化のため、Adeno virus、lipofection法、electroporation法を試みその結果を比較した。その結果どの方法を用いても、ミクロソームタンパク当たり2%以上の発現量を得ることができたが、発現量が上昇するにつれて、発現したカルシウムポンプタンパク当たりのリン酸化中間体量は低下していく傾向にあった。これは無理に発現量を増やした場合、活性を持たないタンパクが増加することを示している。また定常的にSERCA1aを発現する組み替え細胞も作成したが、十分な発現量は得られなかった。以上の結果、本実験ではlipofection法をもちいて一過的に強制発現させたSERCA1aを用い解析を行うことにした。 反応速度論的解析による、E2PCa中間体の存在の実証 E2PCa中間体存在の実証のため、今までの解析でE2PCaの蓄積が期待される複数のSERCA1a変異体を用いて、Ca^<2+>存在下でATPを加えてリン酸化させ、定常状態が成り立っている時点でADP-非感受性EP(E2P+E2PCa)の量を測定した。その結果ADP-非感受性EPの量はWTではCa^<2+>濃度を変化させても変わらないが、変異体ではCa^<2+>濃度を1-100μMの間で変化させると、大きく変化し、Ca^<2+>濃度が低くなるほどADP-非感受性EPの量が増えた。この結果はADP-非感受性EPの中にCaを結合している分子種(E2PCa)が含まれていることを強く示唆しており、そのCa^<2+>親和性は数μMと見積もることができた。 組み換えタンパクを用いたCa2+結合測定 メンブレンフィルター上の^<45>Caを放射活性をイメージングプレートを用いて計測する方法を検討したところ、十分にSERCA1aのCa^<2+>結合測定に適用可能であるが、メンブレンによる遮蔽効果に留意する必要があることが分かった。
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Research Products
(5 results)