2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヘムオキシゲナーゼによるヘム分解機構並びに各生物種のヘムオキシゲナーゼの多様性
Project/Area Number |
16570108
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
吉田 匡 山形大学, 医学部, 教授 (10004673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 道比古 山形大学, 医学部, 助教授 (00135344)
張 旭紅 山形大学, 医学部, 助手 (10292442)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / 酵素活性化 / ビリベルジン / CO / 鉄 / ショウジョウバエ / シアノバクテリア / ジフテリア菌 |
Research Abstract |
ヘムオキシゲナーゼ(HO)の多様性を調べるべくショウジョウバエ、ジフテリア菌、原核植物である藍草HOについて研究を行った。 ショウジョウバエの遺伝子に動物酵素とホモロジーの高い配列が存在したので、これを基に発現系と精製法を確立した。精製酵素は弱いながらもヘム分解活性を有していた。然し、ヘム・酵素複合体の吸収象は他の酵素の場合と異なり五配位型であった。EPR測定の結果は第五配立座が空である事を示していた。 藍草のHO-1の発現系に引き続きHO-2の発現系を確率し精製酵素を得た。HO-2はヘム分解活性を持たなく、生理的意義はないとの報告もあったが、私共の実験ではSynHO-1と同様にヘムをαビリベルジン、CO、鉄イオンとに酸化的に分解した。現時点ではその生理的役割は不明であるが、何らかの重要な役割を果たしているものと,思われる。SynHO-1とHO-2の結晶化を試み成功した。X線回折法によるとその高次構造は両者共に活性中心であるヘムポケットの構造は類似していた。その上、哺乳類のHO-1のそれとも同様であった。ただ。電子授受に関与すると思われる酵素表面の窪みは小さく、これは生理的な電子供与体であるフェレドキシンとの相互作用力効率良く行われるためと推測された。また、SynHO-2ではヘム・酵素複合体は二量体を形成していた。この事の生理的意義は不明である。 ジフテリア菌のヘム・酵素複合体について、その酸化型、還元型、酸素結合型に着いて結晶化とその解析を行い成功した。特に興味深い事はヘムに結合した酸素分子はヘムのαメテン炭素に向かって屈曲しており、私共の以前の共鳴ラマン法で推測された結果を立証できた。
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Research Products
(6 results)