2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヘムオキシゲナーゼによるヘム分解機構並びに各生物種のヘムオキシゲナーゼの多様性
Project/Area Number |
16570108
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
吉田 匡 山形大学, 医学部, 教授 (10004673)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 道比古 山形大学, 医学部, 助教授 (00135344)
張 旭紅 山形大学, 医学部, 助手 (10292442)
|
Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / 酸素活性化 / ピリベルジン / CO / 鉄 |
Research Abstract |
今迄高等植物のHOについて、特にその酵素化学的側面は殆ど解明されていない。そこで私共は先ず大腸菌での大豆HO-1(GmHO-1)の発現系の確立を目指した。既に報告されているGmHO-1の塩基配列を数個の断片にして化学合成し、それらを順次ライゲースでっなぎ合わせ、完成した二重鎖DNAを大腸菌の発現ベクターであるpMW172に組み込み発現プラスミド、pMWGmHO-1を作成した。pMWGmHO-1でトランスフォームされた大腸菌は効率よくGmHO-1を発現し、'11の培養液からおよそ100mg程の精製酵素が得られた。pMWGmHO-1はNADPH/ferredoxin reductase/ferredoxinを電子供与体として用いた場合、両者の間のアミノ酸類似性は低いにもかかわらず藍草のHO-1とほぼ同等のヘム分解活性を持っていた。GmHO-1はモル比で当量のヘムを結合しその際His30の中性層イミダゾルを近位リガンドとして利用する。その結果できたヘム・GmHO-1複合体は他のHOと同様にミオグロビン様の吸収スペクトルを持ち、酸/アルカリでのスペクトル変化も観察された。上記NADPH/ferredoxin reductase/ferredoxinの他にアスコルビン酸も良い電子供与体であり,ヘムをヒドロキシヘム、ベルドヘム、ビリベルジ・鉄錯体を経てαビリベルジン、CO、二価鉄に分解した。興味ある事に典型的なベルドヘムの吸収像は観察されなかったが、イミダゾル存在下での中間体の抽出を行った結果、ベルドヘムである事が確認された。 ヘム・HemO複合体を25℃で放置すると2-3日後には新たなHemOに転換する事を以前観察していた。今回詳細に検討した所、HemOのC末の二つのアミノ酸残基が切断・遊離し、その結果新たなΔHemOが生じる事を明らかにした。このΔHemOでは生成物であるビリベルジンの遊離が促進していた事からC末の二つのアミノ酸残基が生成物の保持・放出に関与している事が明らかになった。
|
Research Products
(5 results)