2004 Fiscal Year Annual Research Report
GPIアンカーによる蛋白質の機能・発現制御機構の解析
Project/Area Number |
16570116
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 裕輔 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (00294124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 タロウ 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10153165)
村上 良子 大阪大学, 微生物病研究所, 教務職員 (00304048)
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Keywords | GPIアンカー / 輸送 / リモデリング / 脱アシル化 / ラフト |
Research Abstract |
(1)イノシトール脱アシル化(inositol-deacylation)の生物学的意義の解明 GPIアンカーのイノシトール脱アシル化の責任遺伝子(新規遺伝子PGAP1)の同定、およびmetabolic labeling pulse-chaseによるGPIアンカー型蛋白質の細胞内輸送のキネティックスからPGAP1欠損株ではGPIアンカー型蛋白質の細胞内輸送が遅滞することを論文報告した(Tanaka et al.,J Biol Chem.2004 279:14256-63)。現在この変異株を用いて更なる機能解析即ちGPIアンカー型蛋白質を介したシグナル伝達や細胞(間)接着に及ぼす影響を検討中である。さらにこの遺伝子のノックアウトマウスを作成することに成功した。興味深い幾つかの表現系が観察されこれに関して現在解析を行っている。 (2)GPIアンカー型蛋白質の細胞表面への発現制御機構の解析 GPIアンカー型蛋白質の生合成は正常であるが、細胞表面の発現が著しく低下する変異細胞株を樹立した。変異細胞株の解析により、GPIアンカー型蛋白質が培養上清中に速やかに分泌されることが判明した。この機序として、GPIアンカー型蛋白質の脂質部分のリモデリングが関与していることを強く示唆する結果を得た。哺乳類細胞において、GPIアンカーの脂質部分のリモデリングの存在はこれまで報告されておらず、GPIアンカー型蛋白質の発現機構やラフト局在のメカニズムを知る上で重大な発見と思われる。またその責任遺伝子PGAP2も同定した。これらの結果を踏まえ現在論文投稿に向け準備中であり、同時にPGAP2の更なる機能解析およびリモデリングシステムに関与する新規蛋白質の同定を行っている。
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Research Products
(6 results)