2004 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミックスと進化情報の融合によるDNA修復関連タンパク質の機能アノテーション
Project/Area Number |
16570138
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
由良 敬 特殊法人日本原子力研究所, 計算科学技術推進センター, 副主任研究員 (50252226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 恒 特殊法人日本原子力研究所, 中性子利用研究センター, 研究員 (60360418)
樋口 真理子 特殊法人日本原子力研究所, 中性子利用研究センター, 博士研究員 (90370460)
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Keywords | DNA修復タンパク質 / ゲノム / RuvA / MutT / 分子進化 / 分子動力学 / アノテーション |
Research Abstract |
本研究課題では、タンパク質の機能にかかわる動的構造を担うアミノ酸残基をシミュレーションで同定し、その残基の進化的保存性から、共通祖先由来タンパク質の機能類似性を推定することを目的としている。本研究は特にDNA修復関連タンパク質に関して展開することを計画した。平成16年度は、この研究を展開する基礎データの収集とツールの開発に専念した。最新のアミノ酸配列データベースよりDNA修復関連タンパク質を収集したところ、約230種類のタンパク質がDNA修復に関連することがわかった。DNA修復関連タンパク質の数は、ゲノム決定以前には約130種類、またヒトゲノム決定直後には140種類程度といわれていたので、過去数年間の分子生物学の研究で約100種の新規修復関連タンパク質が見いだされたことを意味する。このような情況下では、最新データを自動解析する手段を開発する必要があることがわかった。これらのタンパク質のうち、立体構造が推定可能なタンパク質は96種類あることが判明した。これらが分子動力学の対象となる。そのうちRuvAとMutTに関する分子動力学計算を開始した。また各修復関連タンパク質の進化情報の収集も開始した。その結果、機能部位が変異しているホモローグがゲノムにコードされている場合が非常に多いことが現在までに判明している。平成17年度には、分子動力学計算から得られる情報を、進化情報をつきあわせてゲノムにコードされているタンパク質の機能アノテーションを高度化する。
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