2004 Fiscal Year Annual Research Report
c-Fos遺伝子を活性化する新規コアクチベーターの解析
Project/Area Number |
16570148
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
久武 幸司 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (70271236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中太 智義 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (10364770)
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Keywords | 転写因子 / コアクチベーター / TFIID / バキュロウイルス / アクチベーター / 基本転写装置 |
Research Abstract |
まず、ヒトcDNAよりILF2/ILF3のcDNAを単離し、バキュロウイルス系にて組換え体タンパク質を発現精製した。ゲル濾過の結果、」ILF2、ILF3はそれぞれhomodimerを形成し、ILF2/ILF3はheterotetramerを形成していることが明らかになった。この複合体には転写活性はほとんど認められなかったので、FLAGタグの付いたILF2/ILF3を恒常的に発現するHeLa細胞株を樹立し、この細胞株よりILF2/ILF3複合体を精製した。この複合体は幾つか他のペプチドを含んであり、in vitro転写系で転写コアクチベーターの活性を示した。また、ILF2およびILF3に対する抗体を作成しアフィニティー精製を行い、ILF2とILF3を特異的に検出する抗体を得た。この抗体にて分画したHeLa細胞中のILF2/ILF3を検出すると、細胞の状態によりILF2/ILF3の分画に変化が認められた。ILF2/ILF3は細胞増殖の状態によっておそらく修飾やサブユニット構造が変化していることが明らかとなり、ILF2/ILF3とc-fos転写との関係が強く示唆された。ILF2/ILF3とSRF、ElK-1、ATF1、CREBとの相互作用を調べると、4種類全ての転写因子との結合が強く認められたが、特筆すべきはSRFやATF1との相互作用はSRFやATF1のリン酸化により変化する点が明らかになったことである。また、ILF2/ILF3はその中でTBP、TAF2、TAF3、TAF6およびTAF8と相互作用した。以上のことよりILF2/ILF3は細胞増殖によって制御されるコアクチベーターであり、アクチベーターや基本転写装置と相互作用しc-fos等の転写を活性化することが明らかになった。
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Research Products
(4 results)