2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16570155
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
古川 和広 新潟大学, 理学部, 助教授 (40229109)
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Keywords | BAF / アポトーシス / 核構造 |
Research Abstract |
クロマチンタンパク質BAFの機能を明らかにするためショウジョウバエの分子遺伝学を利用し、BAF遺伝子を完全に欠失させた固体を作成し解析を進行させている。BAF遺伝子を欠失させた変異体は第3幼虫後期でも成虫原基の形成は見られず、神経組織の発生は初期で停止している状態である。神経組織を用いた核膜の構造および細胞分裂に関する研究により、これまでにBAFが核膜および染色体の構造を規定する重要なタンパク質であり、さらにDNA複製の制御にも機能していることが明らかになっている(Furukawa et.al.,J Cell Sci 2003)。成虫原基組織が形成されないことに関して、当初は神経組織同様BAFのタンパク質の消失による細胞分裂の停止が考えられたが、成虫原基の形成を初期から詳細に解析した結果、成虫原基組織の形成初期にアポトーシスが高頻度で誘発されていることを見いだしている。神経組織では組織特性の違いのためかアポトーシスは誘導されておらずTUNELもネガティブであったが、BAFの消失によって誘導される核膜構造の変化は最近報告されているプレアポトーティックな核構造の変化と類維している様に思われた。核ラミナタンパク質であるラミンや核膜タンパク質であるLEMドメインタンパク質はアポトーシスが誘導されるとカスパーゼに特異的に分解されることが知られている。BAFはDNAと結合するとともにラミンとLEMドメインタンパク質と相互作用していることが既に明らかにされており、また人為的に誘導されたアポトーシスの初期にBAFも消失している事を見いだしている。これらのことはBAFがアポトーシスの初期にカスパーゼにより特異的に分解され、それが核の構造変化と深く関わっていることを示唆する。
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Research Products
(2 results)