2005 Fiscal Year Annual Research Report
白血球型アメーバ運動の足場の分子構築とその制御機構
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16570161
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
祐村 恵彦 山口大学, 理学部, 教授 (70183986)
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Keywords | 基質接着 / 細胞運動 / アクチン |
Research Abstract |
足場蛋白質遺伝子の網羅的同定 1)基質に接着できない変異体を作成し、基質接着に関与する遺伝子を網羅的に検出する。方法としては、化学突然変異誘発剤により変異体を作成後、cDNAライブラリーによるレスキュー法を用いた。レスキューされた細胞からcDNAを回収し、遺伝子を複数同定した。これらは新規の蛋白質であった。 2)すでに足場の構成成分として他の生物で同定されている蛋白質と相同性のある遺伝子を粘菌のゲノムプロジェクト、cDNAプロジェクトのデータベースから検索し、複数の遺伝子を破壊し、またGFP標識実験を行なった。 細胞運動時の足場の動態の観察 3)粘菌細胞でGFPアクチンの動態観察から足場と思われる構造を我々は見出しアクチン焦点と名付けている。この構造と、新規に得られた足場蛋白質との関連を、蛍光標識された足場蛋白質を形質発現させ、全反射型蛍光顕微鏡によって生きた細胞で観察した。アクチン焦点以外にも足に相当する部位が存在することが明らかになってきた。特に分裂期に顕著な核の下に形成される構造を新たに見出した。MDASと名付けた。 4)細胞運動にともなう足の踏み換えについて、生きた細胞でのGFP標識足場蛋白質の動態を解析し、どのように細胞が足を踏み換えることで移動運動が生み出されているのかを調べた。 細胞の足場での力の可視化 5)細胞内で生じた力は細胞の足場を通じて基質へ作用し、運動のための推進力となる。実際に足場と考えられる部位でどのように力が基質に伝わっているかを調べるため、ゼラチン基質上に細胞を載せ、足場に生じた力による歪みからその力の大きさや方向を計測した。ベクトル結果をもとに疑似カラーによって可視化し、力の解析を行なった。
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Research Products
(5 results)