2004 Fiscal Year Annual Research Report
カドヘリンの細胞内裏打ち分子α-カテニンに依存した細胞増殖抑制シグナルの解明
Project/Area Number |
16570162
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松原 修一郎 鹿児島大学, 生命科学資源開発研究センター, 助教授 (60199841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 政之 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90136854)
大久保 儀 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90322320)
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Keywords | カドヘリン / カテニン / 細胞接着 / 増殖抑制 / 細胞内シグナル伝達 / がん化 / 足場非依存性増殖 / タンパク質リン酸化 |
Research Abstract |
申請者らはα-カテニンおよびこれを含むカドヘリン・カテニン接着複合体の機能を細胞レベルで解析するためα-カテニンの遺伝的欠失細胞(大腸癌由来細胞)にα-カテニンcDNAを導入し、安定発現株を作成した。これらのα-カテニン再発現細胞では強い接着が回復し、細胞間の接着面が増大(compaction)し、上皮様の形態を示すようになった。このような細胞を用いて接着以外の細胞機能がどのように変化するかを探り、浮遊集塊培養の際にα-カテニン発現細胞では増殖抑制が起こることを発見した。これまでカドヘリン・カテニン依存性のアポトーシス抑制シグナル(J.Cell Biol.誌154;573)の解析に用いてきた培養皿に接着した状態(低密度)では増殖の抑制は起こらないので、アポトーシス抑制に働いているα-カテニン-p27kip1-Bcl-xL/カスパーゼという経路とは別のシグナルが働いていると判断された。そこで、この増殖抑制シグナルの解析をおこなった。抗カドヘリン阻害抗体存在下ではα-カテニン発現細胞の細胞間接着は弱くなり、α-カテニンをもたない細胞に似た形態になるが、この状態では増殖抑制は起こらなくなる。また、α-カテニンの部分欠失ポリペプチドを再発現させた結果から、α-カテニン分子の中央部もしくはC末端部を欠損させても増殖抑制作用をもっていることが明らかになった。さらに、RBファミリータンパクのp130など細胞の増殖制御やシグナル伝達にかかわると考えられる複数のタンパクでリン酸化状態の変化や分子量の違いが確認された。現在これらのタンパクについてさらに検討しているところである。
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Research Products
(1 results)