2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規Myc標的遺伝子mina53の細胞内及び個体内での機能解析
Project/Area Number |
16570164
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
常岡 誠 久留米大学, 医学部, 助教授 (50197745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 芳郎 久留米大学, 医学部, 教授 (90231307)
副島 美貴子 久留米大学, 医学部, 助手 (80279140)
TEYE Kwesi 久留米大学, 医学部, 助手 (80352128)
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Keywords | 細胞増殖 / がん遺伝子 / myc / 食道癌 / mina53 / 核小体 / mimitin / ミトコンドリア |
Research Abstract |
がん遺伝子mycはヒトがんと強く関係している本研究では我々が最近同定したMycが直接発現上昇する新規遺伝子mina53について解析している。本年はまず予後が悪く予後予測も難しい食道癌に焦点を絞り、Mina53について詳しく調べた。 食道癌組織におけるmina53発現を免疫組織化学的手法により調べたところ、3/4の組織でMina53発現が高いことが分かり、Mina53高発現が食道癌に特徴的なことが分かった。次にMina53発現と様々な生物学的特徴とを比較した。その結果、がんのステージ、分化度とは関係が見られなかったが、Mina53を高発現する癌を持つ患者は予後が悪いことが示唆された。さらにMina53発現は癌のステージとは独立の予後因子として扱えることが分かり、癌のステージに加えて、Mina53発現程度を考慮することにより、今までよりも適格な予後判断ができる可能性が示唆された。またmina53発現抑制により食道癌培養細胞の増殖が抑制されたことから、Mina53が癌治療の分子標的となる可能性が示唆された(Clin Cancer Res 2004、論文中の写真がこの雑誌の表紙に採用された)。 Mina53の機能を解析するため、直接結合する蛋白質のスクリーニングを行っているが、非常に強く結合する蛋白質が新たに得られた。現在この蛋白質とMina53の結合の生物学的意義を調べている。 個体でのMina53の役割を解明するため、Mina53ノックアウトマウスを作製した。現在バッククロスによりマウスを純化している。 最後にMina53クローニングと同様の方法で新規Myc標的遺伝子mimitinをクローニングした。この遺伝子はMycによって直接発現上昇すること、コードする蛋白質がミトコンドリアに存在すること、食道癌等の特定の細胞で増殖と関連していることが分かった。(J Biol Chem 2005)。
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Research Products
(5 results)