2004 Fiscal Year Annual Research Report
精子ベクターによるゼブラフィッシュRNA interference個体の作出
Project/Area Number |
16570179
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
酒井 則良 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助教授 (50202081)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 培養精子 / RNAi / リバースジェネティクス / 顕微授精 / 細胞培養 |
Research Abstract |
ゼブラフィッシュは、フォワードジェネティクスの優れた研究材料であるものの、自在に遺伝子発現を抑えることができる有効なリバースジェネティクス法がないことが大きな欠点であり、個々の遺伝子の詳細な機能解析を困難にしている。本研究では、精原細胞を精子まで分化させる培養系を用いて、short interference RNA (siRNA)をコードするDNAを精子に導入し、それを受精させた標的遺伝子発現阻害個体を作出することを目的とする。 siRNAによる遺伝子発現阻害効果はその配列に依存するため、効果的な配列を容易に見出すことができる細胞培養系を介した方法の確立を進めている。標的遺伝子として、すでに突然変異体が得られており抗体も作られている、shh, stat3, fooの3つを選び、それらを発現している培養細胞を初期胚から樹立した。この培養細胞に最も効率よく遺伝子導入できるトランスフェクション条件を調べ、最も抑制効果の高いsiRNAをスクリーニングしている段階である。また、すでに海外共同研究者のBurgessらによって、fooのsiRNAをコードするDNAを組み込んだレトロウイルスベクターが作製できているため、培養細胞に感染させて阻害効果を調べている。その後、培養精子に感染させて一世代でsiRNA導入個体の作出を行う予定である。 並行して、ゼブラフィッシュ未受精卵への顕微授精のために、長時間受精能を保つことができる未受精卵の保持法を確立した。高倍の実体顕微鏡とピエゾ式マイクロマニュピレーターを組み合わせたシステムを構築し、この卵に顕微授精を試みている段階である。受精個体を発生させ、PCR法およびサザンハイブリダイゼーション法により目的のsiRNAが導入できていることを確認した後、その表現型を調べる予定である。
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