2005 Fiscal Year Annual Research Report
プラコード分化を制御する遺伝子発現制御ネットワークの発生遺伝学的解析
Project/Area Number |
16570185
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青田 伸一 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 特任研究員 (50192456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 賢二 京都大学, 理学部, 研究員 (50211115)
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Keywords | 発現制御 / 転写因子 / 調節ネットワーク / フィードバック制御 / プラコード / Pax6 / 分化 |
Research Abstract |
水晶体プラコードの分化に重要な役割をはたす転写因子の発現調節ネットワークを解析する目的で、前年度ではトリ胚に電気穿孔法よってDNAを導入することによりエンハンサーアッセイを行う方法を最適化した。従来のトランスジェニックマウス法よりもはるかに安価に高速にエンハンサーを同定できることがあきらかとなった。本年度では、この方法を用いて、水晶体プラコードで発現制御ネットワークを形成すると考えられる転写因子遺伝子群の近傍に存在するエンハンサーの探索をおこなった。 まず水晶体プラコードの分化に中心的な役割をはたすPax6遺伝子のエンハンサーのうち、水晶体の細胞系列で機能する物の同定と解析をおこなった(前年度からの継続)。従来から研究をおこなってきたPax6EEに加えて、新規のエンハンサー領域を同定し、Pax6LSと命名した。以前、培養細胞をもちいた実験からPax6とSox2の結合サイトをPax6EE内に見いだしていたが、よりin vivoの状態を反映するトリ胚電気穿孔法により、Pax6の結合サイトがin vivoで実際にPAX6蛋白が結合していることを示すデータが得られた。また、Pax6,Sox2結合部位以外にもエンハンサー活性に必要な部位を4カ所Pax6EE内に同定した。この結果は、PAX6が他の多くの転写因子と協同的に働くことを示唆している。Pax6LSの詳細な解析によって、このエンハンサー内の活性に重要な部位を同定し、またこのエンハンサーも、多くの転写因子が協同的に働くことをしめした。Pax6自身が、Pax6LSのエンハンサー活性に必要であるとのデータがあるので、Pax6遺伝子の発現には、複数の正のフィードバック制御がかかっていることがあきらかになってきた。 Pax6以外にも、Sox2,Sox3,Eya1,FoxE3などの発現制御領域のクローニングを進めた。
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