2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者に対する長期集団ダンスムーブメントセラピーの環境適応効果とその生理的多型性
Project/Area Number |
16570198
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡辺 明日香 北海道大学, 医学部, 助手 (90281831)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 隆則 北海道大学, 医学部, 助教授 (20312423)
浅賀 忠義 北海道大学, 医学部, 講師 (60241387)
増山 尚美 北海道浅井学園大学, 生涯学習システム学部, 助教授 (30326590)
井上 馨 北海道大学, 医学部, 教授 (80133718)
森谷 きよし 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40000939)
|
Keywords | ダンスムーブメントセラピー / ストレスホルモン / ストレスレベル / 健常高齢女性 / 環境適応能 / 生理的多型性 |
Research Abstract |
目的:集団ダンスセラピー(DMT)の環境適応効果と,この効果に現れる被験者の生理的多型性を明らかにする. 対象と方法:健常高齢女性28名(65.1±[4.3]SD歳)を,ランダムに3群に割り付けた(DMT,歩行バランス運動(W),静的日常活動(L)).被験者に90分間(2:30〜4:00pm)のDMT(W・L)に13週間(16回)参加させ(同一回のBGMは3群共通),1,5,8,13週目,および活動終了1ヶ月後の早朝尿中ストレスホルモン量(SH:17-KS-Sと17-OHCS)をクレアチニン比(mg/g)で求めた.同時にストレスレベル(SCL)を質問紙で調べた.DMT,W群で1,13週目に活動中の主観的運動強度(RPE)を聴取し,記録した心拍数から運動強度(%HRR)を算出した.有意水準5%で統計解析を行った. 結果と考察:1週目の平均%HRRは13週目と有意差がなく,DMT17.6±2.8,W19.7±2.3で,両群間の有意差はなかった.RPEは両群とも非常に楽〜ややきつい(中央値11:楽)であった.両群の運動負荷はごく低強度であったと言える. SHとSCLは個人差が大きいため個人毎に正規化して活動による変化を解析した.17-KS-SはDMT群のみで5週目から13週目にかけ有意に増加した(P<0.01).17-KS-S/17-OHCSも同様であった.SCLはDMT群で5週目に有意に下降し,他の2群より有意に低値となった.以上は,他の活動に比しDMTが被験者の心身ストレスを緩和し易く環境適応能向上効果に優れていることを示唆する. 被験者の生理的多型性の影響をみるため,SHとSCLの絶対値の相関分析を行った.DMTの1週目の17-KS-Sが,5週目の身体的ストレス(睡眠起床障害)と有意な負の相関を示したことは,被験者の生理的多型性がDMTによるSCL変化に影響したことを意味する.
|
Research Products
(4 results)