2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者に対する長期集団ダンスムーブメントセラピーの環境適応効果とその生理的多型性
Project/Area Number |
16570198
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡辺 明日香 北海道大学, 医学部, 助手 (90281831)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 馨 北海道大学, 医学部, 教授 (80133718)
森山 隆則 北海道大学, 医学部, 教授 (20312423)
境 信哉 北海道大学, 医学部, 助教授 (30299804)
森谷 きよし 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40000939)
増山 尚美 北海道浅井学園大学, 生涯学習システム学部, 助教授 (30326590)
|
Keywords | 集団ダンスムーブメントセラピー / 虚弱高齢者 / デイケア / 介護度 / 17-KS-S / 17-OHCS / 気分 / 生理的多型性 |
Research Abstract |
目的:1)集団ダンスムーブメントセラピー(DMT)によって虚弱高齢者の心身両面に生じる環境適応効果(効果)を明らかにする.2)効果の大きさに対する生理的多型性の影響を検討する. 方法:対象は介護老人保健施設デイケアを利用する虚弱高齢女性22名(年齢66〜95歳)で,年齢・介護度(要支援〜介護度2)に差がないように2群に割り付けた.DMT群には午後60分間のDMTに10週間(1回/週)参加させ,対照群は同時間に通常のデイケアメニュー(ゲーム・手工芸など)を行った。 <検査項目>早朝尿中ストレス関連ホルモン{17-OHCS(17-Hydroxycorticosteroids,OH),17-KS-S(17-Ketosteroid硫酸抱合体,KS)のクレアチニン補正値(mg/g)と両者の比KS/OH;若年基準値を100%とした換算値で表示},心拍数,気分検査。統計解析はp<0.05を有意と判定。 結果と考察:心拍予備率(%HRR)からDMTの運動負荷はごく低強度と考えられた.同年齢集団に比し被験者の介入開始前(前)OH,KS,比が有意に大きく,高ストレス負荷だが,高ストレス耐性・高ストレス対応力ありと推測された。前KSの個人差が大きかった(19-264%,両群間の有意差なし)。 1)DMTによる効果 (1)心理的側面:毎回の気分改善はDMT群が対照群よりも大きかった。 (2)身体的側面:DMT群のみ介入によりOH増加(p<0.05)。昨年度の健常高齢女性の研究ではDMT群のみKSが有意に増加。この影響内容の差異は健康状態・年齢・介入期間の違いなどにより生じたと考える。 2)効果に対する生理的多型性の影響 DMT群のみで前KSとKS変化量(後-前)が負の有意な相関を示した(ρ=-0.83,p<0.05)。前KS(抗老化ホルモン)の少ない者ほど,DMTによるKSの増加効果が大きいと考えられる。
|
Research Products
(1 results)