2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナス異質細胞質系統の特性及びその育種的利用に関する研究
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16580022
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
一色 司郎 佐賀大学, 農学部, 助教授 (40253588)
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Keywords | ナス / 異質細胞質系統 / 野生種 / 雄性不稔 / 細胞質 / ミトコンドリアDNA / PCR-RFLP分析 / ISSRマーカー |
Research Abstract |
本研究は、申請者がこれまでに育成に成功した野生種Solanum anguivi、S.kurzii及びS.violaceumの各細胞質をもつ3種類のナス異質細胞質系統(細胞質雄性不稔系統)の特性のナス育種への利用の可能性を探ることを目的としている。平成16年度の研究実績の概要は以下の通りである。 1.花粉稔性及び花器の様相について調査した結果、3種類のナス異質細胞質系統がいずれも安定した雄性不稔性を示した。また、種子稔性を確認するために、ナスを花粉親として交配した場合の結果率、種子数及び種子発芽率について調査した結果、S.anguiviの細胞質をもつ異質細胞質系統において若干種子数が少なかったものの比較的高い種子稔性を示した。 2.露地ビニルハウス内で生育を比較した結果、3種類のナス異質細胞質系統とそれらの親系統との間で顕著な生育の差が認められなかった。また、収量性及び耐寒性のいずれについても顕著な差が認められなかった。 3.各器官の形態を調査した結果、葯などの雄性器官を除いて3種類の異質細胞質系統はいずれも親品種との差異が認められなかった。 4.ミトコンドリアDNAのPCR-RFLP分析を行った結果、small ribosomal subunit RNA遺伝子のV7領域の分析でナスと野生種との間で多型が認め、細胞質識別のために本領域のPCR-RFLP分析が有効であることを明らかにした。 5.Inter-simple sequence repeat(ISSR)分析を行った結果、12種類のプライマーを用いた分析によって、再現性がありかつ多型性のあるISSRマーカーを計150本得たことから、ISSRマーカーがナス及びナス属野生種の系統分類、雑種確認や品種識別等のための遺伝的マーカーとして有効であることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)