2005 Fiscal Year Annual Research Report
ワインブドウ栽培における4倍体台木と菌根菌接種源としてのカバークロップの効果
Project/Area Number |
16580024
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
本杉 日野 京都府立大学, 農学研究科, 助教授 (10182172)
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Keywords | ブドウ台木 / arbuscular菌根菌(AMF) / 被覆作物(カバークロップ) / 黒ボク土 / 重窒素 / ナギナタガヤ |
Research Abstract |
(a)4倍体台木によるワインブドウ栽培の省力化と果実品質向上効果 樹勢の異なるブドウ台木(Gloirer,5BB,3309,St.George)とそれぞれの4倍体に接ぎ木した‘Cabernet Sauvignon'を研究協力者(丹波ワイン株式会社)の黒ボク土からなるワインブドウ園(京都府京丹波市)に2004年3月および2005年3月に定植し、その生長量の調査を行った。いずれの4倍体台木も元の2倍体台木と比較して顕著に穂木品種の伸長生長および樹幹肥大を抑制し、特にGloireの4倍体でその効果は顕著であった。2004年定植樹では若干の着果が認められたが、収穫量が不足していたため醸造後のワイン品質の調査は行っていない。 ついで上記台木に接ぎ木した‘巨峰'樹において、4倍体台木は新梢生長を抑制し、夏季の副梢除去にかかる労力を軽減した。一方、4倍体台木では着果率を有意に低下させることが明らかとなり収穫量の確保には注意が必要であるが、果実成熟が早く、果皮着色が顕著に優れた。4倍体台木では開花期以前から収穫後まで継続的に2倍体台木より枝の水ポテンシャルが低く、常に弱い水ストレスを生じていると同時に、4倍体台木では成熟期の果皮中アブシジン酸濃度の顕著な上昇が認められた。 (b)低投入栽培ワインブドウにおけるarbuscular菌根菌(AMF)接種源としてのカバークロップの効果 上記ワインブドウ園でカバークロップとしてナギナタガヤを植栽した区と黒色不織布マルチした区を設けたところ、arbuscular菌根菌の土壌中の胞子数およびブドウ根への感染率ともにカバークロップ区で高くなる傾向が認められたが、効果に有意性はなく継続調査が必要である。 滅菌した黒ボク土を用いたポット試験においてブドウ樹とナギナタガヤを共存させ、AMF接種を行うと無接種に比べナギナタガヤの生育が抑制された。重窒素をブドウ葉あるいはナギナタガヤ葉に施用し、その移動を追跡したところ、AMF菌糸を介してのブドウ-ナギナタガヤ間の窒素成分の移動が観察され、共存栽培時のナギナタガヤ生育抑制にAMF菌糸ネットワークによる物質移動が関与していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)