2004 Fiscal Year Annual Research Report
メタロチオネインの分解酵素による水産廃棄物からの脱カドミウム技術の開発
Project/Area Number |
16580049
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浅野 行蔵 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50312393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曾根 輝雄 北海道大学, 大学院・農学研究科, 講師 (00333633)
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Keywords | セリンプロテアーゼ / Arthrobacter nicotinovorans / 遊離カドミウム / ホタテウロ / タンパク質 |
Research Abstract |
ホタテウロを工業的に処理するには、カドミウム脱離酵素の簡便な大量生産が求められる。本研究で選択した微生物Arthrobacter nicotinovorans23-0-11株のタンパク分解酵素を精製し、構造解析し、遺伝子クローニングして、本酵素の生産能力の向上へとつなげることが必要である。 微生物A.nicotinovorans23-0-11株選択したを大量培養して、培養液に生産されたメタロチオネイン分解活性を持つプロテアーゼをDEAE-Toyopearl 650MとCM-Toyopearl 650Mの二つの陰と陽イオン交換クロマトグラフィーによって、単一タンパク質まで、精製した。酵素の精製収率は41.4%であり、25.4倍の精製率の向上が見られた。本酵素はSDS-PAGEによる解析の結果から、相対分子量は27KDaであった。 精製酵素からN末端のアミノ酸配列(20個)を決めた(MH_2-V-N-Q-S-E-T-P-V-K-K-I-G-K-I-F-F-T-L-G-G-)。及び部分中央のアミノ酸配列(-N-P-W-A-N-L-N-L-I-G-N-P-Y-T-T-T,-G-W-D-W-L-N-P-N-Y-A-G-N-I-T-N-と-A-T-W-G-T-A-N-G-A-I-Y-L-N-A-)も決めた。本酵素のN末端と中央末端のアミノ酸配列は、データベースに相同性をもつタンパク質からは見つからず新規な酵素であることがわかった。相同性をもつタンパク質が見つからないことは、PCR用オリゴヌクエオチドプライマーの設計に困難が伴うことでもある。現在、いくつかのDNA塩基配列を想定しPCR用オリゴヌクエオチドプライマーを設計し、A.nicotinovorans 23-0-11株のゲノムDNAから本酵素遺伝子のクローニングを行っている、今後、大腸菌中でプロテアーゼ遺伝子の大量発現系を構築し、A.nicotinovorans 23-0-11株以上の酵素生産能を得ることを試みる。
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Research Products
(2 results)