2004 Fiscal Year Annual Research Report
分泌型ホスホリパーゼA_2の新規な生理機能の発見とその分子機構の解析
Project/Area Number |
16580054
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有岡 学 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (20242159)
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Keywords | 分泌型ホスホリパーゼA_2 / 神経栄養因子 / L型カルシウムチャネル / アポトーシス / PC12 / 小脳顆粒細胞 / 神経突起伸張 |
Research Abstract |
sPLA_2およびLPCのシグナル伝達においてG2Aが関与するかどうかを検討するため、PC12細胞において内因的に発現しているG2AをRNA interference法によって発現抑制する実験を行った。ラットG2Aに特異的な配列を3ヵ所選択し、RNAのスプライシングに関与するU6 snRNA(small nuclear RNA)遺伝子のプロモーターを持つpmU6proベクターに挿入した。このプラスミドをNeuro2A細胞にG2A-EGFPとともに共発現させたところ、選択した1つの配列(rRNAi2)がmRNAおよびタンパク質レベルでG2A-EGFPの発現を抑制することがわかった。 次に、U6プロモーター部分とRNAi配列を切り出し、アデノウイルス発現ベクターpAxcwitに挿入した。これをHEK293細胞に感染・増殖させ、目的のアデノウイルス(r2-Ad)を得た。r2-AdをPC12細胞に感染させたところ、内因的なG2Aの発現が抑制されることがRT-PCRにより明らかになった。さらに、r2-Adの感染は糸状菌sPLA_2、LPC、ヒトグループXsPLA_2によるPC12細胞の突起伸長を抑制した。一方、この効果はミスマッチを有するRNAi配列を発現するアデノウイルスでは観察されなかった。以上の結果より、LPCの遊離を介したsPLA_2の神経栄養因子様作用にG2Aの活性化が関与することが強く示唆された。
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Research Products
(6 results)