2004 Fiscal Year Annual Research Report
含硫有機化合物の代謝に関与する酵素について-蛋白質工学的改変と新規機能の検索-
Project/Area Number |
16580058
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大城 隆 国立大学法人鳥取大学, 工学部, 講師 (00233106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 好計 国立大学法人鳥取大学, 工学部, 教授 (40026555)
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Keywords | Microbial desulfurization / dibenzothiophene / desulfinase / flavin reductase |
Research Abstract |
ジベンゾチオフェン脱硫酵素系の最終段階である2'-ヒドロキシビフェニル2-スルフィン酸から2-ヒドロキシビフェニルと亜硫酸への反応を触媒するDszBを結晶化することができ、予備的な構造解析を実施することができた。今後、重原子置換法により、詳細な構造解析を進めていく予定である。 高温域での微生物脱硫の実施を目的として、好熱性細菌からジベンゾチオフェン脱硫酵素とカップリング可能なフラビンレダクターゼ(FR)の生産菌株をスクリーニングし、好熱性のBacillus sp.DSM411株を選択した。本菌株からFRの精製を行い、単一な標品を得て、酵素化学的性質を明らかにした。本酵素は今まで知られているどのFRよりも熱安定性が高い(70℃、30分の熱処理後も60%の活性を保持)うえ、pH2から11の問において30分処理後も90%以上の活性を保持しており、広範囲のpH領域において非常に安定性の高い酵素であることが判明した。野生株における本酵素の発現量は非常に低かったが、酵素遺伝子のクローニングを実施して、大腸菌内での高発現化を行ったところ、野生株に比べて440倍高い生産性の向上を実現することができた。本酵素は、NADHを電子供与体として利用したが、NADPHに対してもNADHに比べて5%程度の活性を有していた。一方、電子受容体としては、フラビン化合物以外に芳香族ニトロ化合物も基質として利用できた。さらに、本酵素はフェリックレダクターゼ活性も示すことがわかった。また、本酵素と脱硫酵素DszCのカップリング反応がスムースに進行することを酵素レベルで確認した。
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Research Products
(3 results)