2005 Fiscal Year Annual Research Report
含硫有機化合物の代謝に関与する酵素について-蛋白質工学的改変と新規機能の検索-
Project/Area Number |
16580058
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大城 隆 鳥取大学, 工学部, 講師 (00233106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 好計 鳥取大学, 工学部, 教授 (40026555)
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Keywords | Microbial desulfurization / Dibenzothiophene / Desulfinase / Monooxygenase |
Research Abstract |
Bacillus subtilis WU-S2Bは、50℃でも生育可能な好熱性脱硫細菌である。本菌株由来のジベンゾチオフェン(DBT)代謝に関与する酵素、BdsC、BdsA、BdsBをそれぞれ単一にまで精製し、大腸菌での高発現株を作成し、その酵素化学的諸性質を明らかにした。これらの酵素を常温性脱硫細菌Rhodococcus erythropolis由来で同一の反応を触媒する酵素DszC、DszA、DszBと比較すると、熱安定性はすべてBds酵素の方がDsz酵素よりも高かった。BdsA、BdsBの比活性はDszA、DszCよりも高かったが、BdsCはDszCよりも低い比活性であった。D8T誘導体に対する活性もDszCの方がBdsCよりも高かった。DszBの基質への親和性はBdsBよりも高かった。その他のBds酵素、Dsz酵素の諸性質はほぼ同じであった。 一方、BdsC高発現株を培養すると培養液が青色になった。これは、DszC高発現株の場合には見られない現象である。精製したBdsCとフラビンレダクターゼ、補酵素NADH、FMNを用い、インドールを基質とした反応を行ったところ、酵素的なインジゴへの転換反応を確認することができた。インドール以外にも様々なヘテロ環芳香族化合物に対する活性を評価したところ、いくつかの化合物の変換活性を確認することができた。これらの結果は、BdsCがDBT骨格を有していない芳香族化合物への酸素添加反応を触媒できることを示しており、脱硫酵素の新規機能を見い出すことができたと考えている。
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Research Products
(3 results)