2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580063
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
新村 洋一 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (00180563)
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Keywords | 過酸化脂質 / 乳酸菌 / 過酸化物分解 |
Research Abstract |
【背景と目的】好気的生物の生体内では、様々な要因により過酸化物が生成し、DNA損傷やタンパク質の変性を引き起こし、各種疾病や老化の原因と目されている。我々は、細菌Amphibacillus xylanusのNADH oxidase-Prx系について研究し、本酵素が強力な過酸化物分解酵素系であり、A.xylanus培養菌体が菌体外過酸化物を分解することを見いだした。乳酸菌はA.xylanus同様に呼吸鎖と過酸化物分解酵素(ヘムカタラーゼ、ヘムペルオキシダーゼ)を欠如する細菌である。演者らはA.xylanus同様に菌体外過酸化物を分解する乳酸菌を分離する目的で、各種発酵食品から高い過酸化物分解能力を有する菌株の分離を試み、さらに分離菌株の過酸化物分解特性について検討した。 【結果と考察】分離乳酸菌は菌学的性状と16SrDNAからLactobacillus plantarum, Pediococcus pentosaceusと同定された。培養菌体を懸濁したリン酸ナトリウムバッファー(pH7.0)に疎水性、親水性の各種過酸化物を添加し、37℃にインキュベート後の過酸化物残量を八木別法もしくはHPLCによる直接定量を行った。供試菌体として、生菌体のほか煮沸処理もしくは超音波破砕した死菌体を用いた。過酸化物分解には代謝によるエネルギーの供与が必要と考えられる事から、反応系には糖類をあらかじめ添加した。過酸化物の分解には、生菌体であること、糖の添加の両条件が必要であった。糖としてはグルコースが一番効果的であった。過酸化物分解反応中、乳酸菌は過酸化物に暴露された状態でも生存し、過酸化物分解が生菌で起きる上述の結果を支持した。
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Research Products
(3 results)