2004 Fiscal Year Annual Research Report
マウス蛋白質アルギニン脱イミノ酵素遺伝子Padi4の生理機能及び発現制御機構解明
Project/Area Number |
16580071
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
高原 英成 茨城大学, 農学部, 教授 (30122063)
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Keywords | 蛋白質アルギニン脱イミノ酵素 / PADi4 / モノクローナル抗体 / 腹腔マクロファージ / 慢性関節リウマチ |
Research Abstract |
蛋白質アルギニン脱イミノ酵素(PADと略)は、蛋白質中のアルギニン残基をシトルリン残基に変換する酵素である。先に我々は、マウスPAD遺伝子は5つの遺伝子から構成され、これらは全て4番染色体(4E1領域)にクラスターとして座乗していること、また本遺伝子構成地図はヒトのPAD遺伝子群ときわめて類似していることを明らかにした。最近、ヒトPAD遺伝子のうちPADI遺伝子(マウスPADi4遺伝子と相同)が慢性関節リウマチ発症の原因遺伝子の一つであることが報告され、実験動物を用いたPADI4遺伝子の生理機能と遺伝子発現制御機構に関する研究が大変重要となってきた。本年度はマウスPADi4遺伝子産物PAD4対するモノクローナル抗体を用いた発現組織・細胞の解明について研究を行った。すでに我々は、マウスPADtype IVを特異的に認識する抗体分泌細胞(B4E2B)を得ることに成功している。そこで、本モノクローナル抗体を用いてマウス各組織抽出液の可溶性、不溶性画分に対してウェスタンブロット解析を行った。予想に反していずれの組織においてもPAD type IVの発現は確認できなかったことから、遺伝子発現に関する情報を得るためPAD type IVの転写調節領域を解析したところ、血球系細胞の遺伝子発現を制御する配列の存在が明らかとなった。そこで、血球系細胞に焦点を当て、改めて同モノクローナル抗体を用いて、ウェスタンブロット解析、免疫染色を行ったところPAD type IVが腹腔マクロファージの核に存在することを明らかにした。PAD type IVのアミノ酸配列上には核移行シグナルが存在し、他のPAD(typeI, II, III)には存在しないことから、PAD type IVが他のPADとは異なる生理的役割を有するものと推測される。
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Research Products
(3 results)