2006 Fiscal Year Annual Research Report
人工ムチンによる腸内有害菌の感染・生育阻向剤の開発
Project/Area Number |
16580072
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
村田 健臣 静岡大学, 農学部, 助教授 (30273171)
|
Keywords | mucin / GlcNAc / glycosyltransferase / Helicobacter pylori / horse / serum |
Research Abstract |
「目的」 胃腺粘液細胞は、GlcNAcα1,4Galβ-Rを糖鎖に持っムチンを分泌し、本ムチンがピロリ菌(Helicobacter pylori)感染に対する防御機能を持つことが知られている。そこで本研究では、ウマ血清中からのa1,4N-アセチルグルコサミニル転移酵素(α1,4GnT)の精製と、その諸性質を明らかにすることを目的とした。また、ウマ胃腺部組織を用いα1,4GnTのクローニングも試みた。 「結果」 ウマ血清の80%飽和硫安沈殿画分を順次、CM-Sepharose、Concanavalin A-agarose、Superdex 200pg、UDP-hexanolamine-agaroseの4段階のクロマトグラフィーに供すことでa1,4GnTを約5,300倍に精製した。本酵素標品の至適温度は37℃、至適pHは7であった。また、本酵素は、UDP-GlcNAcを供与体基質とした時、受容体基質としてGalβ1,3GalNAcα-pNPに最もよく作用し、癌性ムチン糖鎖に特徴的な糖鎖構造であるGlcNAcα1,4Galβ1-3GalNAcα-pNPを生成した。同様に、単糖および二糖配糖体Galβ-pNP、Galβ1,3GalNAcβ-pNP等にも作用した。 また、ウマα1,4GnTのクローニングを試みたところ、本酵素をコードする1026bpのcDNAの全配列をうることに成功した。予想されるアミノ酸配列は、ヒト由来の酵素に対して85%の相同性を示した。
|
Research Products
(4 results)