2004 Fiscal Year Annual Research Report
効率的な成熟mRNA生合成を制御するヒトhTho複合体の性状解析ならびに機能解析
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16580073
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 誠司 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (20260614)
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Keywords | mRNA / 転写 / 核外輸送 / スプライシング |
Research Abstract |
Tho複合体は、mRNAの転写伸長から核外輸送に至る過程を共役する重要な機能を持つことことが示唆されている。しかし、その性状や機能については不明な点が多い。そこで、本研究では、ヒトTho複合体の性状ならびに機能解析を行った。 1.ヒトhTho複合体の性状解析 これまでに同定されたヒトhTho複合体は3種類であったが、あらたに3種類の蛋白(fSAP79,fSAP35,fSAP24と命名)をhTho複合体の構成成分として同定した。hTho2を枯渇した核抽出液を作り、GST-UAP56をもちいたpulldownを行った。その結果、hTho2を枯渇した核抽出液からは、GST-UAP56を用いたpulldownアッセイで、fSAP79,fSAP35,fSAP24のいずれもが検出されなかった。これより、ヒトhTho複合体は6種類の蛋白質から構成されていることを示した。 2.ヒトhTho複合体のUAP56結合部位の解析 hTho複合体がUAP56のどのあたりに結合しているかについて解析した結果、hTho複合体は、UAP56のN末端部分に結合していることを明らかにした。 3.ヒトhTho複合体の転写伸長における機能解析 hTho複合体は、転写伸長に寄与していると示唆されている。そこで、Hela細胞の核抽出液を用いて転写伸長アッセイを行った。しかし、転写伸長に寄与する結果は得られなかった。 4.ヒトhTho複合体のスプライシングにおける機能解析 hTho複合体は核内のspeckleに局在するので、スプライシングにも機能を持つ可能性が考えられる。そこでスプライシングの効率に影響するかを検討したが、影響は見られなかった。
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