2004 Fiscal Year Annual Research Report
毒腺アイソザイムの遺伝子変異に関わるDNA複製機構の解明
Project/Area Number |
16580079
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
上田 直子 (小田 直子) 崇城大学, 工学部, 助教授 (70211828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 素徳 崇城大学, 工学部, 教授 (30038434)
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Keywords | error-prone DNA polymerase / snake (Habu) venom / Trimeresurus flavoviridis |
Research Abstract |
本研究は、ハブ毒腺アイソザイム遺伝子の多様性獲得の分子メカニズムを明らかとすることを最終目標にしている。これまでの研究から特に点変異が毒腺アイソザイム遺伝子間に多くみられ、それらが固有の生理機能をもたらしてきたと考えられた。この点変異をもたらす要因の一つがハブのDNA複製機構にあると仮定した。真核生物のDNAポリメラーゼは永らく5種類が知られており、fidelity(正確性)の高いものと考えられてきた。ところが、1999年度以降次々と新規なものが発見され(ヒトで約14種類)、特にerror-prone(誤りがちな)DNAポリメラーゼの発見は画期的であり、これまでの生物における生理機能や生命現象を改めて見直すきっかけとなった。 以上の背景のもと本年度は、ハブのDNAポリメラーゼ、特にerror-prone(誤りがちな)DNAポリメラーゼの同定を試みた。進化との関連から組織は生殖細胞である卵巣及び精巣を用い、方法は、1)タンパク質の精製、2)cDNAクローニングの2つで行った。 1)タンパク質の精製-ハブ卵母細胞抽出液を調製し、fidelityアッセイはKunkel法を用いた。アッセイ系を確立することはできたが、卵母細胞抽出液の調製法に課題があったのか、活性画分の同定には至らなかった。そこでcDNAクローニングを中心に行うこととした。 2)cDNAクローニングー生殖細胞であるハブ卵巣及び精巣から組織を摘出後、total RNAを抽出し、卵巣及び精巣のcDNAライブラリーを作製した。error-prone(誤りがちな)DNAポリメラーゼのうち、DNAポリメラーゼkに注目し、種間で保存されている領域をプライマーを合成し、PCRを行った。卵巣及び精巣のどちらのライブラリーからも予想される大きさのPCR産物をうることができた。これをDNAシークエンスしたところ、大腸菌のDIN B及びumu Cと極めて相同性の高いものであることがわかった。現在全長クローン及び転写産物について詳細な解析を行っている。
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Research Products
(3 results)