2006 Fiscal Year Annual Research Report
ニンジン由来ジベレリン合成酵絵遺伝子の体細胚特異的な発現とその制御機構の解明
Project/Area Number |
16580084
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
三橋 渉 山形大学, 農学部, 教授 (50192761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊増 知伸 山形大学, 農学部, 助教授 (60272085)
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Keywords | ニンジン / 体細胞胚 / ジベレリン |
Research Abstract |
ニンジン体細胞胚形成における植物ホルモン,ジベレリン(GA),の役割を明らかにすることを広義の目的とし,ジベレリン合成酵素であるGA3酸化酵素(群)に注目しこれら遺伝子(それぞれDcGA 3ox1,2,3000と名付けた)の発現制御機構について調査を進めた.1)qRT-PCRにより幼芽生えにおける発現を調べたところ,それぞれ根,子葉根で高い発現を示し,このうち最も発現量の高かったのはDcGA 3ox3であることが明らかとなった.2)種子胚における発現を子房も含むサンプルで半定量RT-PCRで調べたところ,DcGA 3ox1,2は種子の登熟にともない発現が上昇したが,DcGA 3ox3ではそうした増加は見られなかった.次ぎに,昨年度クロム酸を用いた固定法を導入し,ニンジン植物胚珠中の種子胚についてin situハイブリダイゼーションが可能となったことから3)同法を用い種子胚における発現部位を調べた.プローブには各遺伝子の全長に対するRNAプローブを用いDcGA 3ox1とDcGA 3ox2については配列の相同性が比較的高いことから5'あるいは3'側の非翻訳領域を含むものを作成した.その結果,1種類の遺伝子について茎部原基での有意な分布が確認された.が他の2種については有意なシグナルは観察されなかった.4)同様に体細胞胚での分布を調べたところ2種の遺伝子が同様の茎部原基で発現していることが明らかとなった.こうした発現の分子レベルでの制御を明らかとするため5)各遺伝子の5'上流域を単離し,予備的ながらプロモータ::GUS法による観察を行ったところ,それぞれ特徴的な発現パターンを示すようであった.現在,形質転換細胞のライン化を行っており,近々,次の結果が得られる予定である.
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