2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体内活性型ビタミンKの組織内生成機構とその生理的意義に関する分子栄養学的解析
Project/Area Number |
16580095
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
白川 仁 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40206280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒井 三千夫 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80143022)
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Keywords | ビタミンK / 抗炎症効果 / 食品 / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
高等動物の組織内で変換・生成されるビタミンK同族体(メナキノン-4、以下MK-4と略)の変換機構と生理的意義について解析を行った。天然に存在するビタミンK(以下、Kと略)は、フィロキノン(K1)どメナキノン類(K2)に大別されるが、高等動物では摂取されたK類の一部が、K2の1つであるメナキノン-4へと特異的に変換される。この活性型ともいうべきMK-4の役割、特にMK-4が多量に含まれる脳や生殖腺での機能については、ほとんど解明がなされていない。本研究では、我々によって見出されたMK-4の新しい作用(抗炎症効果、ステロイド代謝調節)の分子機構やMK-4欠乏モデル動物の解析を通じて、組織内MK-4生成機構とその生理的意義について解析を行った。 抗炎症効果発現におけるMK-4の役割の解析: マウス脾臓由来の初代細胞を用いた系からヒトマクロファージ様細胞であるTHP-1細胞に変更し、MK-4の抗炎症作用について解析を行った。その結果、従来よりも安定した系を構築することができた。また、MK-4の処理時間と抗炎症効果について解析を行ったところ、24時間まで、処理時間に依存して、抗炎症効果が発揮されることが明らかになった。 MK-4欠乏動物の作製と表現形の解析: 天然に存在するK類は、臓器中に含まれる変換酵素によってMK-4へと変換される。しかし、油脂工業製品の副産物である2',3'-ジヒドロフィロキノン(以下dK1)は、カルボキシル化酵素の補酵素としては機能するが、生体内でメナキノン-4に変換されないことが報告された。このことから、無菌動物にdK1を投与し、K欠乏による出血死を回避しながら、MK-4欠乏動物を作製し、精巣および脳における遺伝子発現の変化をDNAマイクロアレイ法によって解析した。その結果、臓器中のMK-4量の低下に伴って、細胞内の小胞輸送に関わる遺伝子の発現量が変化していることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)