2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580098
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 幸敬 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70211878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島 元啓 京都大学, 農学研究科, 助手 (60293916)
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Keywords | 亜臨界水 / 合成 / 無触媒反応 / ペプチド / ジカルボン酸 / 異性化反応 / 共役リノール酸 |
Research Abstract |
高温高圧下で液体状態を保った亜臨界水中では,水のイオン積が常温の水の時より上昇し,種々の反応が無触媒で進行する.この特長を活かした環境への負荷を軽減した食品加工プロセスの構築を目的とし,本年度はまずペプチドであるアンジオテンシンIIと3種のジカルボン酸(コハク酸・りんご酸・酒石酸)との合成反応について検討した.100〜140℃の亜臨界水中で,アンジオテンシンIIのN末端のアミノ基とジカルボン酸のカルボキシル基の縮合反応が無触媒的に生じ,ペプチド結合を有した縮合物が形成されることをLC-MSおよびMALDI-TOFで確認した.縮合物の生成量は温度の上昇と共に増加した.また,ジカルボン酸は,水酸基の少ない物質の方が高い転換率を与えた.これらの結果は論文にて公表した.さらに,アンジオテンシンIIのN末端のアミノ酸をアスパラギンに改変したペプチドや,アスパラギン酸を除去しアルギニンとなったアンジオテンシンIIIの方が,縮合物の生成量が多かった.次に,亜臨界水中でのリノール酸からの共役リノール酸(CLA)への異性化反応について検討した.通常,エチレングリコール等の有機溶媒中に溶解したアルカリによって異性化反応が進行するが,200〜240℃の亜臨界水中でもCLAへの異性化反応が進行することを,ガスクロのチャートの標準物質との比較によって確認した.しかし,その収率は1%未満であった.生成した2種類のCLAへの転換率は,いずれの場合もc9t11CLA/t10c12CLA=1/0.6であった.これらの結果についての論文は準備中である.
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Research Products
(1 results)