2006 Fiscal Year Annual Research Report
機能性食品成分を用いたアレルギー罹患リスク低減化に関する基礎的研究
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16580100
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山西 倫太郎 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (30253206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂東 紀子 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教務員 (40116851)
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Keywords | β-カロテン / 脾細胞 / グルタチオン / レドックス / IL-12 / BALB / cマウス |
Research Abstract |
我々はこれまでにBALB/cマウスに高β-カロテンおよび高ビタミンEを組み合わせて摂取させた場合には、抗原投与により誘導されるIgE抗体の産生が低下することを報告しており、本研究はこの食餌効果の原因を究明するためのものである。これまでの2年間で、高β-カロテンと高ビタミンEを摂取したマウスの脾臓細胞からは、抗原呈示に応答するIL-12分泌が亢進している事を見出している。この時、β-カロテンをレチニルエステルで置換すると効果が失われる事から、プロビタミンA活性ではなく、レドックス調節作用が関与しているものと推測された。また、昨年度の研究において、β-カロテンはマウスマクロファージ培養細胞RAW264の細胞膜を酸化する一方で、細胞質に対しては、グルタチオン合歳酵素γ-GCSの軽鎖mRNAの増加を導き、その結果として、グルタチオン合成亢進に基づく抗酸化性を誘導すること、さらにこの抗酸化性誘導を介してサイトカインmRNA産生に影響を及ぼすことを見出した。α-トコフェロールは、ラジカルによる細胞膜酸化を抑制するものの、β-カロテンによる酸化は抑制せず、単独では細胞質の抗酸化性やサイトカインmRNA産生に影響を及ぼさなかった。以上のことから、今年度は、α-トコフェロールは添加した状態で、β-カロテンの有無による効果を中心にIL-12分泌の亢進をもたらすメカニズムの解明を目的として検討を行った。そして、主たる結果としては、β-カロテンを摂取したマウスの脾細胞でも、細胞内グルタチオン濃度が亢進していることを見出した。免疫系の細胞内グルタチオン量とIL-12分泌は相関しているという報告があることから、β-カロテンの摂取が、免疫系の細胞に抗酸化的な変化をもたらし、それがIL-12産生亢進に結びついているものと推測された。今後、さらに詳しいメカニズムの解明に邁進したいと考えている。
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Research Products
(1 results)