2006 Fiscal Year Annual Research Report
資源利用と環境負荷の計量評価による森林利用技術の適正整備水準の検討
Project/Area Number |
16580118
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
仁多見 俊夫 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (20192255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 秀夫 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (70126069)
益守 眞也 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 講師 (50282702)
有賀 一広 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (60313079)
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Keywords | 森林 / 資源 / 環境 / 技術 / 基盤整備 / CO_2 / バイオマス |
Research Abstract |
林道や作業道などの整備および作業による森林の撹乱を、木質資源の成長と環境の恒常性維持の観点から検討した。立木伐採を伴う資源収穫においては、立木の伐採強度が林内植物体量を減少し、CO_2の固定能をそれに比例して減少させるが、その後の植物体の成長、葉量の増加によって、3年ほどで復旧すると推定された。試験地にグリッド状に配置した温度センサーによって、林内環境の変化を追跡した。間伐施業前から2箇所の林分の気温の変化を継続的に記録した。間伐手入れ後は、林分内の気温は、ピークが最高、最低ともに大きくなり、平均が上昇した。それに伴って、地表土中の温度も上昇した。この施業によって発生した温度差は、時間の経過とともに対照地との差は小さくなった。 間伐率30%の場合、間伐後には対象地に比して最高気温のピークが3〜5度高く、平均気温は0,5〜1度高い。この差は、1年半後にもまだ見られた。林分の初期状態と比較して、差がほとんどなくなるのは3年程度かかると推定された。間伐施業によって、haあたり約100m^3の木質が取り除かれることとなるが、3年間で30m^3の木質部の成長と葉部の成長によって、立木によって回収する太陽エネルギーが復旧すると言える。その間は、太陽エネルギー回収率が小さい状態であるが、素材生産に伴って発生する枝条残材をエネルギー利用することによってそのロスを補うことが可能である。 森林の立木から得られるバイマス量は、収穫される素材量とほぼ同量である。このバイオマス量を効率的に利用することができれば、素材生産によって低下した林分Q成長や植物体の減少によって発生した太陽エネルギーの回収ロスを補って余りある資源利用システムが構築できる。バイオマス資源の利用高度化によるCO_2排出量の削減や、バイオマス資源によるエタノール生産など、森林バイオマス資源を活用する期待は、その利用技術と、新たな利用の枠組みによって可能となる。
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Research Products
(3 results)