2004 Fiscal Year Annual Research Report
GISを用いた里山林における竹林拡大の様相と要因の解明
Project/Area Number |
16580124
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
甲斐 重貴 宮崎大学, 農学部, 教授 (30041057)
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Keywords | 竹林拡大 / 里山林 / 地域景観 / 竹林利用 / GIS |
Research Abstract |
宮崎県西都市荒武、三納、国富町本庄、高鍋町小並地区を対象として、空中写真とGISを用いて竹林動態と拡大要因について調べた。竹の種類としてはモウソウチク、マダケ、メダケ、ホテイチク、ハチク、ホウライチクがみられた。集落の周辺に分布している竹林が多く、荒武・三納地区ではほぼ全域に分布し、本庄・小並地区ではやや偏在していたが、分布状況については年次間に大きな変化は認められなかった。これらの竹林は標高10〜150mの範囲に分布し、最新の状況をみると小並地区では約8割の竹林が80m以上に、三納・本庄地区では約6割が40m以下に位置するなど地区による差があった。地区毎の竹林総面積はいずれの地区でも年次の経過とともに増加し、約30年後には当初の約2〜4倍となった。これに対し、竹林数は本庄地区では年次の経過とともに増加し、30年後には1.3倍となっていたが、他の地区ではほとんどの年次間で減少した。次に、個々の竹林の動態についてみると、出現、消失、結合、分裂、面積の増加・減少が観察された。新たに出現した竹林の比率は、それぞれの年次における竹林数の0〜41%、結合した竹林数は3〜27%、消失した竹林数は期首の竹林数の2〜29%、分裂した竹林数は0〜9%となっていた。出現箇所としては広葉樹林や針葉樹林内が多く、放棄された田畑や雑地などもあった。結合の場合、結合した部分は森林や雑地などに広がっていた。消失後の土地利用は森林、田畑、宅地などさまざまであった。分裂は竹林内へ森林が広がったり、あるいは宅地へ転用されたことによってもたらされていた。一方、面積が増加した竹林の比率は期首の竹林数の16〜70%であり、荒武・三納地区で低く、本庄・小並地区では高かった。また、7〜17%の竹林に面積の減少がみられた。グリッド化による解析では、今回の地区に関しては立地環境要因と拡大との間に関係は見いだせなかった。
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