2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子操作による大気汚染耐性及び環境指標樹木の作出
Project/Area Number |
16580125
|
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
毛利 武 独立行政法人森林総合研究所, 生物工学研究領域, 主任研究官 (40353883)
|
Keywords | ACC合成酵素 / ポプラ / 組換え体 |
Research Abstract |
組換えポプラは、ハイグロマイシン含有選択発根培地で成長させた。結果として、アンチセンスコンストラクト2種類、センスコンストラクト2種類の合計4種類のバイナリーベクターについて、それぞれを過剰発現させた組換えポプラ組織培養苗を合計で40ライン以上得た。組換えポプラ組織培養苗の特徴として、フラスコ内無菌苗の状態では、通常は観察されない分枝化をしている個体が一部含まれていた。また、エチレン合成酵素遺伝子をアンチセンス方向に過剰発現させた組換え体はコントロールと比較して老化が遅い個体の割合が多かった。 次に、それらの組換えポプラ組織培養苗は、葉を材料としてDNAを抽出し、HPT遺伝子の一部をプライマーとしてPCR分析を行った。結果は、ベクターコントロールと同様のサイズにバンドが検出され、導入遺伝子の存在を確かめた。 遺伝子導入が確認された個体は順次、馴化し、成長させた。水、蛍光灯下で成育するとコントロールと比較してアンチセンス個体は成育が良く、センス個体は成長が悪い特徴が見受けられた。しかし、馴化個体を人工気象棟(高光度、高栄養の水耕液)に移し成長させたところ、生育条件が非常に良いことからどの個体も非常に成長が良く、アンチセンス個体とセンス個体及びコントロール間の顕著な成長の差はほとんど観察なかった。また、エチレン合成酵素遺伝子をアンチセンス方向に過剰発現させた組換え体は、馴化後も茎の木化が起きにくい個体が一部観察された。一方、エチレン合成酵素遺伝子をセンス方向に過剰発現させた組換え体は、馴化の際に外気に非常に敏感であり、大気感受性がコントロールと比較して大きかった。
|
Research Products
(3 results)